岸田政権さらに痛手 柿沢法務副大臣が辞任…江東区長選で“有料広告提案” 野党は“柿沢隠し”と批判
東京都江東区長選挙での有料ネット広告を提案したとして、柿沢未途法務副大臣が31日、副大臣を辞任しました。岸田政権では、先週、女性問題で山田文部科学大臣政務官が辞任したばかりで、政権にとって更なる痛手となります。
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参議院・予算委員会で、31日に辞任した柿沢法務副大臣について、立憲民主党の杉尾議員が追及しました。
立憲民主党 杉尾秀哉議員
「総理、辞表を受理したということですけど、まず国会で説明させるべきではないですか」
岸田首相
「今後、内閣として、果たすべき責任をしっかり果たすことで、信頼回復に努めたい」
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発端となったのは――
今年4月の東京都江東区長選挙で、木村区長陣営が“動画投稿サイト”に、投票を呼びかける“有料広告”をだしていたのです。東京地検特捜部は、公職選挙法違反の疑いで江東区役所を家宅捜索し、木村区長は今月26日に辞職届を提出しました。これにより、再び区長選挙が行われる事態に。
そして、この“有料広告”を提案していたのが、柿沢氏だったというのです。
31日、江東区民に聞いてみると…。
――柿沢副大臣の辞任について
江東区民
「いけないことをしたんだから、やめるのは当たり前です」
――区長選挙が、また行われることについて
江東区民
「税金使われたくないけど…またもう1回(選挙)とか」
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31日朝、柿沢氏は副大臣の「辞表」を提出。小泉法務大臣は、次のように話しました。
小泉法相
「柿沢副大臣からは、『違法だという認識はなかったものの、深く反省している』との話がありました」
野党は、予算委員会に柿沢氏を呼び、追及するかまえを見せていました。
立憲民主党 安住国対委員長
「選挙違反を主導していた人が、法務副大臣になってたということですから、これちょっと“シャレにならない話”ですよね。柿沢副大臣に質問通告してますから、きちっと出てきて、経緯を説明すべきだと思っています」
しかし、31日午前の国会には、柿沢氏の姿はありませんでした。野党議員たちが、委員長の元へ詰めより、質疑はストップしました。
「法務副大臣が来てないの? なんで来てないの?」
「速記を止めてください!」
末松信介委員長
「辞表を提出しておるので、ここに出てくることを望ましくないと、判断を本人がしてしまったと」
「本人とか関係ないでしょ! 責務でしょ、これは」
質疑をする予定だった杉尾議員は――
立憲民主党 杉尾議員
「口を封じるかのごとくの法務省の対応、与党側の対応はですね、これは絶対に認めることはできませんし、これは立法府軽視も甚だしい」
予算委員会の質疑は、2時間以上とまりました。しかし、柿沢氏は午後も姿を見せることはなく、野党は「柿沢隠しだ」と批判しました。
苦言は、与党内からも出ています。
自民党 世耕参院幹事長
「まずは、ご本人がしっかり説明責任を果たされることが重要ではないかと思います」
公明党 山口代表
「この国会が始まった矢先で、辞任に至るということは誠に遺憾なことであります」
午後4時すぎ、柿沢氏は法務省をあとにしました。
先週、女性問題で、山田文部科学大臣政務官が辞任したばかりの岸田政権。支持率の低迷が続くなか、2人目の辞任は、更なる痛手となります。