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BPO 20年を記念し特別シンポジウム 旧ジャニーズ問題で有識者から厳しい声が

2024年3月22日 18:33

発足から20年となるBPO=放送倫理・番組向上機構が22日、都内で今年度の年次報告会を開きました。報告会では3人の有識者を招き、旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題などを取り上げる特別シンポジウムを開催しました。

NHK出身のフリージャーナリスト・鎌田靖氏は、旧ジャニーズ事務所が週刊文春を提訴した1999年当時、検察・裁判を担当する「司法記者クラブ」のキャップでしたが、「問題の深刻さに気付けず、提訴の際も判決の際も原稿を書かなかった。書いていれば、その後の被害が少しでも抑えられたかもしれない。忸怩(じくじ)たる思いがある」と心情を明らかにしました。そして「テレビ局は、時に社会の流れにあらがってでも世の中に注意喚起する役割がある」と述べました。

東京大学大学院の田中東子教授は「テレビ局などメディアが旧ジャニーズ事務所問題について沈黙した結果、視聴者は誤った認識を刷り込まれてしまった。そのため、一部ファンが『性加害はなかった』として、問題を告発したタレントらをSNSなどでひぼう・中傷している」などと、この問題の構図を示しました。その上で「テレビ業界は人権やジェンダーなどの知識が世の中より遅れている。アップロードする必要がある」、「テレビ局はダイバーシティなどを強調するだけでなく、組織の中でも大事にしなくてはならない」、「テレビ局所属記者らは、サラリーマン化から脱するべきだ」などと提言しました。

一方、桜美林大学の西山守准教授は「ジャニーズ問題は芸能スキャンダルではなく、児童虐待という人権侵害であり企業不祥事だ。メディアは必然的に気付かないといけなかった」と批判しました。

また、女性との性的行為に関する記事が報じられている松本人志氏の例を挙げながら、旧ジャニーズ問題以降、スポンサー企業は「事態の推移を見守る」という従来の対応から、タレントや所属事務所が説明責任を果たさない場合はいったん取引をやめる方針に転じていると解説。スポンサー企業がグローバル化して人権問題に機敏に対応する中、日本のテレビ局や芸能界は「グローバル化を外圧としてしか意識できていない」として、テレビ局に対し、社内の人材交流を高めるとともに、社外の声を取り入れられる組織を作るよう求めました。