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G7広島サミット明日スタート…早くも市内は厳戒態勢

2023年5月18日 7:00
G7広島サミット明日スタート…早くも市内は厳戒態勢
宇品島の入り口をバリケードで塞ぐ

19日に広島で始まる、G7(=主要7か国)首脳会議。岸田首相の襲撃事件がおきた直後の国際会議だけに、警察は「威信をかけた」警備体制を敷いている。開幕を前に、広島は早くも厳戒態勢となっている。

●警察の“威信をかけた警備”…全国の都道府県警察が広島に集結

19日に広島で始まる、G7(=主要7か国)首脳会議。広島市内には北は北海道から南は沖縄まで、全国から警察官が集まり警備にあたっている。警察庁は16日、最大約2万4000人の態勢で警備に臨むと明らかにした。4月に起きた岸田首相の襲撃事件を受け、当初の想定より警戒に当たる人員を増やしたということで、東京以外で開催されるサミットとしては、2016年の伊勢志摩を上回り“過去最大規模”となった。

警備態勢は、地元・広島県警約3000人。全国45の都道府県警察から2万1000人が派遣される。広島県警の森元本部長は「国の威信がかかっている」と述べ、警備に万全を期す考えだ。

●主要会場のグランドプリンス…なぜ?選ばれた

サミットの主な会場となる「グランドプリンスホテル広島」は、宇品島という島の上に立つホテルだ。2016年に広島市で開催されたG7外相会合でも会場になった場所で、市街地と1本の橋のみで繋がっているため、警備がしやすい場所として選ばれた。

ホテルのある広島市南区元宇品町は15日から立ち入り制限が始まっている。サミット最終日まで、入ることができるのは住民や町内で働く人に限られ、「識別証」や「車両証」の提示を求めるなど、部外者の立ち入りを厳しく制限している。

●広島中が”厳戒態勢”ナゾの気球も登場…市民から戸惑いの声

ホテルのある元宇品地区の上空に今月から、ナゾの気球が現れた。警察は詳細を明らかにしていないが、「警備のため設備」と説明していて、警戒監視をするためのものだとみられる。また、広島市内の人の流れを抑制するため、サミット期間を中心に市立小中学校の約4割を臨時休校とするほか、8日から22日までの広島カープのホームグラウンドでの試合も中止となった。市民からは「いくらサミットとはいえ、生活に大きな影響が…」という声も出ている。

●直近で不審物事件…緊張感高まる中での警備

また、サミット直前に不審物が相次いで見つかった。4月下旬にはJR広島駅の商業施設内のトイレで不審な紙袋が。県警の爆発物処理班が出動して調べた結果落とし物と判明したが、山陽新幹線が運転を見合わせるなど現場は一時騒然となった。さらに5月10日には、平和公園内のベンチの上に不審物が置かれているのを警戒中の警察官が発見。中身を確認したところ、ロールケーキだと判明したが、現場は立ち入りが規制されるなど、物々しい空気に包まれた。

「威信をかけた警備」という厳戒態勢の中、いよいよ19日、サミットが開幕を迎える。