×

【全文】山際経済再生相と韓総裁との接点「逐一報告は受けていない」松野官房長官(10/3午後)

2022年10月3日 18:53
【全文】山際経済再生相と韓総裁との接点「逐一報告は受けていない」松野官房長官(10/3午後)

松野官房長官は、3日午後の会見で、山際経済再生相がいわゆる統一教会の韓総裁との接触を認めたことについて「山際大臣から逐一報告は受けていないが、引き続き丁寧な説明を心掛けていくと聞いている」と述べました。

<会見トピックス>
▽所信表明演説

▽山際大臣と"統一教会"の関係

▽天然ガスパイプライン

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――岸田総理の所信表明演説について。

首相はきょうの演説で旧統一教会との関係を巡り、説明責任を果たしながら信頼回復のために取り組みを進めると表明しました。

抽象的な表現ではなく、今回あえて旧統一教会を名指しで指摘した狙い、意図について伺います。

○松野官房長官
旧統一教会については、社会的に問題が指摘されており、当該団体と政治との関係についても厳しい視線が注がれていることを受け、国民の皆様の声を正面から受け止め、説明責任を果たしながら、信頼回復のために各般の取り組みを進めるという総理の強い思いから所信表明において、端的に旧統一教会について述べたものであると考えております。

――賃上げについて。

岸田総理は所信表明演説で成長分野での働き方や、学び直しの支援策整備や、日本にあった職務給への移行など、労働移動の円滑化に向けた指針を、来年6月末までに取りまとめる移行を示しました。

その意義と具体的にどのような議論を進めていくか伺います。

○松野官房長官
長年にわたり大きな賃上げが見られなかった我が国においてとりわけ物価高が進み、賃上げが喫緊の課題になった今こそ、賃上げと労働移動の円滑化と人への投資という三つの課題に対する一体的改革を進めていくことが必要であります。

このため成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から日本にあった職務給への移行など企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を来年6月までに取りまとめるため、関係省庁と連携し、政府一丸となって議論を行っていきます。

これらの取り組みにより賃上げが高いスキルの人材を引きつけ、企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げを生むという好循環を加速させて参りたいと考えております。

――所信表明演説でマスクについては「引き続き屋外に関しては原則不要です」述べた。

これまでの新型コロナ対策の政府方針と変わりはないと言うことだと思うが、屋外にいる人たちの大半はマスクを着けている。

政府の考え方が正確に伝わっているか認識を伺います。

○松野官房長官
屋外でのマスク着用については基本的対処方針において、屋外において、他者と身体的距離が確保できる場合、他者と距離がとれない場合であっても会話をほとんど行わない場合は、マスクの着用は必要ないとしています。

こうしたマスク着用のルールについては、リーフレットやテレビCMなどにより、周知してきたところではありますが、正しく理解されるよう今後も引き続き広報に努めていきたいと考えています。

――先ほどの質問と関連。

「構造的な賃上げ」という新たなフレーズが語られる一方で、新しい資本主義と語られてきた「成長と分配の好循環」という文言が今回の所信表明には入っていません。

分配という文言そのものがないというような理由を教えてください。

岸田政権として分配戦略はこれまでに比べて優先順位が下がったということでしょうか。

○松野官房長官
繰り返しになりますけれども、我が国において長年にわたり大きな賃上げが実現をしないのは賃上げが高いスキルの人材を引き付け、企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げを生むという好循環が機能していないという構造的な問題があるとの認識であります。

このため、賃上げと労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進めることで、この積年の課題に挑み、構造的な賃上げの実現を目指すと述べたものであります。

岸田政権が掲げる新しい資本主義においては、成長の果実の適切な分配は、コストではなく、持続可能な成長への投資であると述べてきたところであります。

総理は所信で、新しい資本主義の旗印のもとで、構造的な賃上げ等に取り組んでいくと述べられており、岸田政権が成長と分配を重視していく姿勢は変わるものではありません。

――山際大臣と旧統一教会との関係について伺います。

大臣はきょうの会見で、2018年の旧統一教会の会合で韓総裁と接触していたことを認めました。

他にも会合に出席した可能性があるとも説明されています。

山際大臣は統一教会との接点が後から後から明るみに出ており、説明責任を果たしているか、疑問と言わざるを得ません。

山際大臣からどのような報告を受け、注意などはされているのか。

総理の任命責任も問われると思いますが、どういうふうにお考えでしょうか。

○松野官房長官
政府における旧統一教会との関係については、総理から各閣僚等に対し、それぞれ点検をし、厳正に見直すことを指示しているところであり、その結果についてはそれぞれの政治家としての責任において適切に説明すべきものと考えています。

山際大臣からは逐一報告は受けていませんが、引き続き丁寧な説明を心掛けていくということについては聞いています。

いずれにせよ、それぞれの政治家としての責任において適切に説明すべきものと考えています。

――今の質問とかぶるのですけれども、韓総裁との対面についてはきょう初めて認めた形になるなど、山際大臣は説明を小出しにしております。

今回の件については政権運営ですとか、臨時国会での法案審議などに与える影響についての見解を伺います。

○松野官房長官
山際大臣の説明に関しては、先ほど申し上げた通りでございますが、政府としては臨時国会に提出を予定している法律案等について、できる限り早く閣議決定できるよう準備を進めるとともに、国会審議に誠実に対応していきたいと考えています。

――関連。

野党は山際大臣の辞任を要求しているが、政府としては大臣の交代を検討しないのか。

○松野官房長官
先ほど申し上げました通り、それぞれの大臣は政治家としての責任において、適切に説明をすべきものというふうに考えております。

――ロシアと欧州を繋ぐ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」が欧州北部のバルト海でガス漏れを起こしたことを巡り、米国・ロシア双方が破壊工作を主張しております。

9月30日の国連安全保障理事会でもなお対立したままとなっています。

デンマークのエネルギー庁によりますと、圧力は安定し始めて、ガス漏れについても現在は停止したとみられるということです。

一方で国連は、気候に悪影響を及ぼすメタンの単一の噴出としては過去最大規模に達しそうだと発表しております。

日本政府としては、この破壊工作についてどのような立場をとられるのか、また、環境面への影響についてどのように捉えているのか教えてください。

○松野官房長官
ロシアと欧州を繋ぐ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」のガス漏れ事案を巡りましては、9月30日の国連安全保障理事会会合でも協議が行われており、また関係国が本件事案に係る調査を開始しているものと承知をしています。

我が国としては本件事案が環境に与える影響を含め、今後の動向について注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。