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【衆院選】福岡11区・村上氏が大金星「大きい仕事をしないといけない」裏金問題の逆風に敗れた武田氏「レッテルを貼られた」

2024年10月28日 18:57
【衆院選】福岡11区・村上氏が大金星「大きい仕事をしないといけない」裏金問題の逆風に敗れた武田氏「レッテルを貼られた」

今回の衆院選で大きな争点の1つとなったのが「政治とカネ」の問題ですが、中でも「裏金問題」をめぐり激戦となったのが福岡11区です。日本維新の会の新人、村上智信さんは、元総務大臣の武田良太さんに2000票あまりの僅差で競り勝ちました。

28日朝、福岡県行橋市の街頭に立ったのは、日本維新の会の新人、村上智信さんです。

■当選 維新・村上智信氏
「自分自身が気を引き締めて、人から批判されるようなことはしない。重い重い仕事をこれからやっていかないといけない。」

その一方で。

■落選 自民・武田良太氏
「本当に申し訳なく思っています。ありがとうございました。」

明暗を分けたポイントの1つが「政治とカネ」の問題です。

選挙戦の火ぶたが切って落とされた10月15日、8期目を目指す自民党の前職、武田良太さんの戦いは、おわびから始まりました。

■武田氏
「多くの国民の政治不信を招くことにいたりました。心からおわびを申し上げたいと思います。」

武田さんは、派閥からの寄付金1926万円を、政治資金収支報告書で寄付とは別の項目に記載していて、党の「役職停止1年間」の処分を受けました。

ただ、裏金問題との指摘には不快感を示していました。

■武田氏
「何をもって裏金というのか。我々は決して裏でもらっていません。」

今回、比例での重複立候補がなく、小選挙区での勝利が国会に戻るための条件となりました。

■武田氏
「(Q.横一線という報道も)横一線って書いたところは横一線と思っているだけ。まあしっかり結果を出します。」

「結果を出す」ために、他の候補者の応援を急きょキャンセルし、地元での支持固めに奔走しました。

■武田氏
「残りわずかとなりましたが、精いっぱい頑張ってまいりますので、またご友人などのお声かけを最後までよろしくお願いします。」

対する村上さんのもとには、日本維新の会の幹部が駆けつけました。

■日本維新の会・藤田幹事長
「この西日本で一番の大接戦。まっとうなまっすぐな政治を、この村上智信に皆さんのお力でさせていただきたい。」

田川市や豊前市の市長もやってきました。

■豊前市・後藤元秀 市長
「この裏金問題、もとを作ったのはどなたなんですか。」

■村上氏
「私はクリーンな政治をお約束します。皆さん、立ち上がってください。」

そして27日、村上さんは、3度目の挑戦で初の当選を果たし、日本維新の会から九州で唯一の議席獲得となりました。

FBSの出口調査では、無党派層からの支持は6割を超え、自民党支持層からも3割を超える支持を受けました。

■澤田泰佑アナウンサー
「村上さんに当確が出て、武田事務所では『あー』とため息がもれました。」

■武田氏
「原因はすべて、この私にあるわけで、本当に皆さん方につらい思いをさせて、申し訳なく思っています。結果を私も厳粛に受け止めて、次に向かってゼロからスタートいたします。」

いわゆる裏金問題について「レッテルを貼られた」と表現しました。

■武田氏
「私が残念でならないのは、裏金をもらったわけでもなく、裏金を作ったわけでもない。担当者の記載漏れで“裏金”のレッテルを貼られたのがつらい。」

■有権者
「あんなに騒がれても平気で2000万円という大金が動くんだから。クリーンに越したことはないけれど、でも変わらないと思います。」
「いろいろ複雑だった。本当に入れたい候補があまりなかったので、消去法で書いて入れました。力がある政党が正しい道を歩んでやってほしい。」

■村上氏
「落選しても武田さんの方が(新聞に)出ている。『村上強い』じゃないですね。大きい仕事をしないといけないという気持ちがより強くなっています。」

これからの村上さんは結果が問われる立場となります。

■武田氏
「今後ともよろしくお願いします。」

与党の過半数割れで今後の政局が不透明な中、選挙は終わったばかりですが、早くも次の戦いに向けて動き出しています。

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