【衆議院選挙】島根県の各小選挙区の情勢は 公示から1週間 各地で激しい舌戦が繰り広げられる
衆議院選挙は公示から1週間を迎え、山陰各地で激しい舌戦が繰り広げられています。今回は島根県の各小選挙区を取り上げます。
◇ ◇
まずは島根1区。今回から新しい区割りとなり、雲南市全域と飯南町が加わりました。立候補したのは、届け出順に、
・立憲民主党の前職 亀井亜紀子 候補
・共産党の新人 村穂江利子 候補
・自民党の前職 髙階恵美子 候補
以上の3人です。
亀井亜紀子 候補
「私発言ブレていませんからね。石破総理がブレたブレた言われているじゃないですか。それにちょっと対比させてというか『私はブレません』と」
“ブレない亀”を掲げる立憲民主党の前職・亀井亜紀子氏。衆参両院で国会議員を1期ずつ務め、今年4月の衆議院1区補欠選挙でも自民党候補との一騎打ちを制し当選を果たしました。前回に引き続き、人口減少対策や非正規雇用者の待遇改善などを訴えます。
亀井亜紀子 候補
「少子化対策をやるやると言って、平成の30年間が終わって今もう人口減少が始まっています。突き詰めていくと、やっぱり皆さんの所得が上がらない。特に若者の所得があがらない所に行くわけです。だから私は若者の所得をあげる政策をしたいんです」
10月17日には、強力な応援もー。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「裏金問題と旧統一教会問題はこの島根1区がある種、“震源地”ではありませんか。税逃れをするような連中がいっぱいいたから政治に対する信頼が地に落ちた。政権交代こそが最大の政治改革」
元首相で立憲民主党の野田佳彦代表が島根入りし、裏金問題への追及と政権交代を訴えました。
この日は、元衆院議員の父・久興さんも通っていた喫茶店でランチ。前回の補選で自民党候補に2万票以上の差をつけ勝利した亀井氏ですが、ある懸念もー。
亀井亜紀子 候補
「自民党にお灸を据えるというような一票が大分あったと思いますから、それで意志は示したって感じてる。もともとの自民党の支持層の方がある程度いらっしゃるかなという風には想定をしています。油断することなく私は常に走り続けなければいけない」
今後は大票田の松江市での遊説を増やし、無党派層の取り込みに力を注ぎます。
◇ ◇
村穂江利子 候補
「裏金などで動く政治ではなく、私たちの願い実現のためにあるそういう政治を作りたい。平和を守れ、暮らしを守れ、命を守れ。この願いはどうぞ日本共産党へお寄せください」
共産党から立候補したのは新人の村穂江利子氏。高校教諭やボランティア団体事務局長などを経て現在、共産党島根県委員会の副委員長を務めています。島根原発再稼働への反対や、消費税5%への減税などを政策に掲げています。
村穂江利子 候補
「12月に稼働が予定されている島根原発。二度と再び福島の悲劇を起こしてはいけません。再稼働は食い止める。この声を皆さんと共にあげて実現させていきたいと思っています」
10月18日に共産党の山下芳生副委員長が応援に駆けつけ、裏金問題を厳しく批判しました。
山下芳生 副委員長
「裏金議員には議員の資格はないのではないでしょうか。本当の焦点は、何のために裏金が使われたのか、そして再発防止の決定打、企業団体献金を禁止することではないでしょうか」
この日の選挙メシは“力の源”だという米。前回の補選では立候補を直前に取り下げ、立憲民主党の亀井氏の自主的支援にまわった村穂氏。今回、改めて立候補した理由はー。
村穂江利子 候補
「日本共産党がしっかり政策も打ち出して、皆さんに支持していただけるような政党になることが次の共闘への道を開く。力いっぱい頑張れればと思っているところです」
引き続き選挙区をくまなくまわり、広く声を届けていくとしています。
◇ ◇
髙階恵美子候補
「地方が主役になる、地方を主役にする政治を進める、そのことに対して国民の皆さまの有権者の皆さまの信を問うそういう選挙であります。島根から山陰から新しい風を起こそうではありませんか」
保守王国の議席奪還を目指すのは、自民党の前職・髙階恵美子氏です。参議院議員、衆議院議員の約15年のキャリアを見込まれ、即戦力として擁立されました。中山間地や離島の農林水産業の振興、社会保障制度の充実を図ることを政策にかかげ、演説では“清廉潔白”なイメージを強調ししています。
髙階恵美子 候補
「一度も政治資金パーティーを開いたことはない。この先もやるつもりはありません。ご信頼を損なってしまうようなことは、政治の役割ではありません」
ある日の昼食は、松江特産のシジミを使ったシジミ汁。宮城県出身で、9月に擁立が決まった髙階氏。裏金問題に加え、知名度不足が大きな壁となっています。
髙階恵美子 候補
「厳しい選挙だと思います。少しでも皆さまのそばにお邪魔をさせていただいて、近づけるように、心通わせられるように、それがこの何日間かでどのくらいのところまでいけるかですよね」
週末には自民党の青木一彦官房副長官が駆け付け、髙階氏の人柄をアピールしました。
青木一彦 官房副長官
「ここの松江市朝酌と同じような田舎で生まれ田舎で育った人間です。そして、この地に骨をうずめて皆さん方の声を私どもとともに中央に届け、そして政策に反映し、そのことがしっかりできる人間でございます」
終盤は松江市を中心に遊説を行います。
NNNと読売新聞が行った序盤(10月15日~16日)の情勢調査によりますと、立憲民主党の亀井氏と自民党の髙階氏が競り合っていて、共産党の村穂氏が追う形となっています。
◇ ◇
続いて島根2区は届け出順に
・立憲民主党の新人 大塚聡子 候補
・自民党の前職 高見康裕 候補
・共産党の新人 亀谷優子 候補
以上の3人が立候補しています。
大塚聡子 候補
「欲張り村の村長さんたちにこの日本の未来を渡すことは断じてできません」
立憲民主党の大塚聡子氏は「台所から日本を変える」をキャッチフレーズに、子育てや社会福祉士の経験から「教育と福祉の連携」や「生活者目線の経済再生」などを訴えます。
子どもの大学進学をきっかけに今年4月に島根に移住したばかりの大塚氏。
大塚聡子 候補
「お話するときになるべく実情にあったものにしたいなと。うまくいかないんですけどあまり」
街頭では、地域ごとの課題に目を向けた演説で支持を訴えます。また、知名度不足をいかに克服するかが票を伸ばしていくための課題。そのため、選挙期間中も1人1人の訴えにじっくりと耳を傾けます。
大塚聡子 候補
「生活者目線で生活をされている方の声に耳を傾けて、それをどう解決するか考えていくのは、今までの専門性で一番強みかと思うので、そこはしっかりしっかり活かしていきたいです。そこしか売りがない」
連合や立憲民主党の支持層を中心に無党派層へのアピールに力を注ぎます。
◇ ◇
高見康裕 候補
「この地方の厳しい暮らし、中山間地域の課題を肌身に感じて理解して現場に根差した政策を実現できるのは、絶対に自民党しかないんです」
2期目の当選を目指す自民党・前職の高見康裕氏は与党の立場を最大限にアピール。故・竹下亘さんの後継として、地方に活力を取り戻す「ふるさと創生」を掲げています。
竹下さんから引き継いだ組織力で選挙戦を戦いますが、区割り変更により竹下亘さんの地元、雲南市や飯南町が島根1区に。一方で、生まれ育った出雲市の平田地域が2区となりました。10月20日はその平田地域を遊説。集まった人の中には、中学時代の同級生など知り合いの姿もー。
高見康裕 候補
「選挙戦は体力勝負でありますので、皆さんから応援していただけるとそれが元気になって、また頑張れると感じたのでそういう意味ではありがたいです」
支援者
「高見さん今日誕生日なの?」
自民党 高見康裕 候補
「そうなんです。44歳になりました」
10月16日に誕生日を迎えた高見氏。
「政治とカネの問題」も、自分たちの世代が政治改革を行うと訴えるなど、若さを武器に選挙戦を展開します。
◇ ◇
亀谷優子 候補
「自民党政治に厳しい審判を下して、本当に信頼できる政治を皆さんと一緒に作っていきたいと思います」
共産党の亀谷優子氏は「生きづらい社会を変えていく」を掲げ、消費税5%への減税や男女の賃金格差是正などジェンダー平等社会の実現を訴えます。
亀谷優子 候補
「昨日染めてやりました。存在感ナンバー1」
公示日前日に髪を染めたという亀谷氏。突然の変身に支援者はー。
支援者
「イメージチェンジ?」
「イメージが変わりましたよ」
亀谷氏は2018年から大田市議会議員を務めましたが、ほかの地域ではまだまだ知名度不足。支持を広げるためにまずは興味を持ってもらうことが大切だと話します。
亀谷優子 候補
「今までは大田市で市議会議員でしたので、大田市を一歩出れば誰にも知られていないとは思いますけども、できる限り注目を集めて、私をきっかけに日本共産党の政策を知ってほしいなと思います。」
共産党の支持者を中心に、街頭演説で政策を訴え無党派層への支持拡大を目指します。
NNNと読売新聞が行った序盤(10月15日~16日)の情勢調査によりますと、自民党の高見氏を立憲民主党の大塚氏が追う展開で、共産党の亀谷氏は厳しい戦いとなっています。
自民党の裏金問題や地方の人口減少対策が大きな争点となる今回の衆議院選挙。10月27日に投開票が行われます。