「もう一度“自民党をぶっ壊す”覚悟で」自民・塩崎氏が党改革を訴え…派閥のパーティー券問題巡り
1月14日、愛媛1区選出の自民党・塩崎彰久氏が、松山市内で支援者ら約700人を招いて「新春の集い」を開催した。
自らも安倍派に所属する衆議院議員だが、昨年末に東京地検特捜部の捜査が開始した当初から塩崎氏は取材に対して一貫して「政治資金については適正に処理し報告している」と説明。
「キックバックを受け取っていない。だが、私が受け取っていないとかどうこうという話ではない」
この日の集まりでも派閥のパーティー券に関してキックバックは受け取っていないとする一方、若い世代の議員が中心となって政治に対する信頼回復と党改革を推進していきたいと語った。
(報道部 植田竜一)
“怒ってないよ。あきれた”
会の冒頭、能登半島地震の犠牲者や羽田空港の事故による海保隊員に対して黙とうが捧げられた。
塩崎氏は、厚労政務官として厚労省の災対本部に毎日詰める日々を送っている。スケジュールの合間を縫って開かれたこの日の集まりで語った話題の中心は「パーティー券問題」だった。
「政治の信頼が必要とされる大変な時に、申し訳なく思っています」
年末年始にかけて地元・松山に帰ってきた時に、塩崎氏は市民や支援者から激励以外にも様々な声を投げかけられた。
「こんな時に自民党は何をやっている」
「増税で国民が苦しんどるのに国会議員たちは…」
「今回の件、怒ってないよ。通り越してあきれた」
昨年12月に安倍派への強制捜査が始まった際、南海放送が行ったアンケートに対して塩崎氏は「政治資金については適正に処理し報告しております」とコメント。
塩崎氏は、有権者にも直接パーティー券のキックバックは受け取っていないと説明しているが、市民の自民党や政治に対する不信感を痛感したという。
「私は受け取った受け取ってないとかどうこうという話ではない。今後、捜査が終結して”これで一件落着”とはならない。今問われているのは自民党の自浄能力」
前職は、問題を起こした組織の立て直しなど危機管理を専門とする弁護士だった塩崎氏。金の流れの透明性や再発防止策など、政治への信頼回復は「党が自ら改革し、二度と同じことを起こさせない」自浄能力にかかっていると訴え、「それを実行する責任がある」と語る。
塩崎氏は2021年の衆院選で初当選した“1期生”だが、この2年半で「政治にできることには無限の可能性がある」と充実感もにじませた。
政治の魅力や可能性を知ったからこそ、信頼を失った今の政治や党に対して若い世代の力で改革を抜本的に推し進めたいという。
「受け取った金額が多い、少ないという議論ではなく、なぜこういう問題が起きたか。古い慣習を引きずっていたからではないか。新しい時代や価値観になっているのに、自民党は古いしきたりに染まっているのではないか。もう一度“自民党をぶっ壊す”覚悟で、若い世代が政治と党改革を行うエンジンとなっていきたい」