衆院選企画「現場への視点」 毎年のように発生する災害への対応は 山形県選挙区の候補者に聞く
連日、舌戦が展開されている衆院選で、地域が直面する課題について山形県選挙区の各候補者の考えを3回にわたってお伝えします。題して「現場への視点」ー。1回目は、異常気象によって毎年のように発生する災害への対応についてです。
7月下旬、庄内・最上地域を中心に襲った記録的大雨。ここ数年の間に大雨によって度々水害に見舞われてきた戸沢村蔵岡地区の住民は選択を迫られました。
蔵岡地区の住民 佐藤一春さん「水の心配がないところに集団移転するしかない。6年ほど前にもこんな目に合っているんです。もうここは住む場所じゃないってそんな気持ち」
戸沢村が実施した集団移転への賛否を問う住民アンケートの結果は、全住民の9割以上が条件付きを含め、集団移転に賛同の意思を示しました。
一方、記録的大雨は、農業にも大きな打撃を与えました。
刈屋梨生産者・土井正幸さん「この辺は棚が壊れて根こそぎ持っていかれた。ここにも木があって実がなっていた棚が持っていかれて木がすごいことになった」
酒田市では特産の刈屋梨の園地が流木や土砂に飲み込まれました。
刈屋梨出荷組合副組合長 佐藤広喜さん「どうしたらいいんだろうこれ」
刈屋梨生産者・土井正幸さん「とにかく行政に頼まないと」
全国各地で毎年のように発生する災害にどう対応していくのかー。
今回の大雨で深刻な被害を受けた庄内・最上地域が選挙区となる県3区の候補者3人に尋ねました。
石黒覚候補(立憲・新)「まず徹底した調査研究を復旧をしながらになりますがそこからが始まりと思う今、防衛費を倍増している場合ではないとずっと訴えてきている。今やらなければいけないのは防災減災そこに予算を国土をどう強くするかというところに予算をつぎ込むべきと考えている」
山田守候補(共産・新)「国の防災予算が少なすぎると思う。1月に発災した能登半島地震が一向に改善の兆しが見えない問題とか山形での豪雨災害でも被災者支援とか生活物資十分に届くような施策は必要だと思う」
加藤鮎子候補(自民・前)「今回の大雨災害を基準とした新たな流域治水プロジェクトを引き直し年内までにしっかり策定をしてそれを1つ1つ実現していくことが大事と考えている。災害を受けてここには住めないとおっしゃる方の声もあります。生活支援をいかにしていくかどこでどのように住んでいくかの環境を整えていくことをしっかり支援していきたい」
時間と場所を選ばずに起こり得る自然災害への対策ー。
県1区の候補者のそれぞれの主張です。
立憲民主党の新人・原田和広さんは、「予備費を切り崩すのではなく防災に関する予算を年度で確立させ大規模な災害にすぐ対応できるようにする」
日本共産党の新人・三井寺修さんは、「自治体職員や消防団などの増員を行い観測監視を強化していく予算については地方の防災減災のためのものを増やす」
自由民主党の前職・遠藤利明さんは「遊水地を作るなど緊急的に災害を減らす取り組みが大事将来的には山形空港の滑走路を広くして防災拠点にしたい」などと訴えています。
続いて県2区です。
自由民主党の前職・鈴木憲和さんは「気候変動への対応は待ったなし特に最上川流域治水プロジェクトをスピード感をもってやらなければならない」
共産党の新人・岩本康嗣さんは「防災のためにもっとインフラ整備にお金をかける中山間地の治水・防災能力向上のため荒れた農地を減らす農業振興に取り組まなければならない」
れいわ新選組の新人・二藤部冬馬さんは「防災庁を設置して迅速に対応できる仕組みをつくる必要がある防災から被災者の救済まで国が責任をもって行うことが大事」
国民民主党の新人・菊池大二郎さんは「補正予算で対応するのではなく自治体が何を求めているか維持費がどれくらいかかるか当初予算で計画的に取り組んでいくことが必要」などと述べています。