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【独自解説】「いつまで昭和の政治を引きずりますか?」支持率の急落がとまらない岸田政権に、泉房穂前明石市長が物申す!「岸田さんは思い切って人間変わったつもりで政治をやったらどうですか」

2024年2月20日 19:57
【独自解説】「いつまで昭和の政治を引きずりますか?」支持率の急落がとまらない岸田政権に、泉房穂前明石市長が物申す!「岸田さんは思い切って人間変わったつもりで政治をやったらどうですか」
自民党に対する国民の不信感は募るばかり…

 支持率は“危険水域”24%の自民党・岸田政権。実施した「聞き取り調査」は匿名で、波紋を呼んでいます。調査で明らかとなった議員の本音は?議員個人と派閥の“難しい循環関係”とは?兵庫・明石市の前市長・泉房穂氏と、政治評論家・有馬晴海氏の解説です。

内閣支持率は危険水域…でも、「ここが“底値”であることは間違いない」

 最新の世論調査で、「安倍派幹部らに厳しい処分をすべきだと思う」81%、「自民党派閥の幹部らの説明は十分だと思わない」93%、「事情聴取やアンケートが問題解明につながるとは思わない」77%、岸田内閣の支持率は「支持する」24%、「支持しない」61%という結果が出ました。

Q.こういった結果を受けても、岸田首相を始め自民党に危機感があるようには感じないのですが…。
(政治評論家・有馬晴海氏)
「ただ“政治にうんざり”だと数字に表れているだけで、野党に支持が回っているわけではないからです。支持率24%は危険水域を割ったと言われますけど、私は自民党の“底値”がこのぐらいあるのではないかと思っています。『何があっても自民党しかない』という人がこのぐらいいて、これ以下になることはあまりないと思います。しかし、“底値”であることは間違いないです」

Q.岩盤支持層がこのぐらいいるということですか?
(有馬氏)
「そうです。岸田首相が直接悪いことに関与しているわけではないと思うのですが、例えば“統一教会”や“パー券”問題など、『説明責任を果たしなさいと言っています』と言うだけで、実際には果たせていないわけです。責任説明を果たさせてこそのリーダーシップなので、それがないというのが一番のうんざりポイントではないかと思います」

 二階元幹事長の資金管理団体は、「3年間で約3500万円の書籍代(2万7700冊分)を政治資金収支報告書に計上」と訂正しました。その内容は、「ナンバー2の美学 二階俊博の本心」5000冊1045万円、「地元メディアが見た二階俊博 力の源泉」3000冊275万円などです。

Q.自分の本を配るということは、昔からあるのですか?
(有馬氏)
「“出版記念パーティー”を開いて、それを政治資金にするというやり方があります。ただ、政治家の本は基本的に売れません。また、パーティーに来た方に配るにしても、3年間でどれだけパーティーを開くんですか?ということになりますので、普段から誰彼構わず配られているということだと思います。私も何回か頂いたことはあります」

Q.出版社側からしたら、買ってくれるからありがたいですよね?
(有馬氏)
「二階氏が書いたわけではなくて、どこかのライターが書いた物を二階氏が買い取ったという形だと思います。2~3年間で何冊・何十冊も個人では書けないと思いますので、二階氏が買い取りを引き受けたということだと思います」

「聞き取り調査」匿名の理由は“ギクシャクする”から⁉「国民はちゃんとやっているのに、政治家の特別扱いが酷すぎる」

 2月15日、安倍派・二階派の議員82人や派閥を対象とした「聞き取り調査」の結果が公表され、“裏金”総額は5億7949万円、裏金を受け取った85人の内「使った」が53人、「使っていない」が31人でした。気になる使い道は「会合費」「懇談費用」「書籍代」などでしたが、どの議員が何に使ったかわからない“匿名”方式でした。

 匿名だった理由について自民党幹部は、「調査を始める段階で実名よりも匿名のほうが話しやすいだろうとなった」と話しています。匿名での調査には、赤裸々に話す人もいれば実名で公開してほしいという人もいましたが、「全部公開したら自民党内がギクシャクしてプラスにならないと判断した」ということです。

Q.6億円近いお金が動いていて、匿名というのはどうですか?
(兵庫・明石市前市長 泉房穂氏)
「こんなの『調査』の名に値しないです。言い訳、揉み消しコースのようなもの。第三者がしっかり調査しないと、意味がないです。調査なしに対策できるわけがないですから、初めからやる気がないことは明らかです」

 この「聞き取り調査」について岸田首相は、「客観性あるいは中立性にも最大限配慮した報告書を取りまとめていただいた。ただ、関係者には説明責任を果たしてもらわなければならない」としています。

Q.国民がなぜ政治不信になっているかというと、脱税もしくは申告していないのではないのかという疑問が残るからですよね?
(泉氏)
「国民はちゃんとやっているのに、政治家の特別扱いが酷すぎます。むしろ政治家はルールを作る側ですから、国民より厳しくやっているならわかりますけど、なぜそんなに甘いんだと。それは多くの国民は納得できないです。確定申告だって『不明』で済むなら『不明』と書きたいけど、絶対に通らないですから」

 「聞き取り調査」に対して議員からは、「派閥から『記載しないでいい』と言われたので、裏金みたいなものではないかと思い、全額残した」「組織としてのけじめは、つけないといけない。誰がつけるのか固有名詞は言いづらいが、派閥の代表であったり、執行部」「言い訳にはならないが、派閥の一会員は、派閥から指示されるとそこから外れたことはできない」といった声があがりました。

Q.「記載しなくていいと言われた」「派閥から指示されると外れたことはできない」など、有権者から選ばれた国会議員がこんなことを言うのは、どうなんでしょうか?
(有馬氏)
「それはそうです。しかし、『派閥からお金を出し、それを国会議員の政治団体が受けました』という整合性があれば良いのですが、『派閥がお金を出したというのを“出さない”から、貴方たちが書くとおかしくなるからね』と言われると、力関係で議員は『わかりました』と言うしかなかったんだろうと思います。国会議員は有能な人が多いとは言われますけど、例えば大臣のポストは派閥単位で、派閥のパーティーで集めたお金を還元してもらっているわけです。『派閥がなければ成り立たない』ということが起こっていますから、議員が可哀想な気もするのですが、書かなかったことに対しては責任を取らなければならないと思います」

Q.ポストとお金の関係、どうですか?
(泉氏)
「お金の力で政策が曲がっています。お金の力・有力者の力で、適材適所じゃない人がポストに就いているんだから、派閥政治の問題というのは、政策の歪みだし、適材適所に反する人事になっているのだから、そこに問題があると思います」

Q.泉さんの意見を受けて、どうですか?
(有馬氏)
「難しいんですけども」
(泉氏)
「いや、有馬さんには『難しい』ではなく『良くない』と言ってもらないと」
(有馬氏)
「そうなんですけど、非常に理にかなっているんです。というのも、派閥のお金を餅代や氷代で配りますが、そのお金はどうするかというと、幹部が主に集め、子分たちも一生懸命集め、パーティー券も売って、その分担金が回ってくるという“循環”があります。それを沢山やればやるほど派閥にとっては『有能な人』という見立てになって、出世していくという感覚が何となくあるので、みんなが頑張る。しかし、そういうところに問題があったので、『これから人事などは派閥単位ではやらない』と首相は言っているのですが、では400人近くの議員をどうやって吟味して大臣にするのかというのが、難しいところです」

 政策活動費について岸田首相は、選挙中に「党勢拡大・政策立案・調査研究等に支出している。全額を政治活動のために支出していれば、納税の申告は必要ない」と話しています。

Q.選挙中に「党勢拡大」といわれると、氷代・餅代プラスアルファでお金が出ているのではと疑ってしまうのですが、いかがですか?
(泉氏)
「私も国会議員をかつてやっていましたけど、そういう話はよく聞きましたから、実際現金が飛び交っているのが現状です。いつまでそんな政治やりますか、という論議だと思いますけど。さすがにもう令和ですから、いつまで昭和の時代を引きずりますかと、私は思います」

Q.河井議員が捕まったというのもあって、想起させてしまいますよね?
(有馬氏)
「私も河井議員の話をしようと思っていました。チラシを何回も全軒に投函するわけですが、そのチラシ代と投函する費用だけで自民党から1億5000万円ぐらい出ていたというのが、あのとき明らかになりました。『お金さえあれば、そういうことをいくらでもやりたい』『当選したい』という思いが、特に自民党の議員には強い人が多いのではないでしょうか」

Q.それは『政治活動費』だから、問題ないのですか?
(有馬氏)
「はい。いろいろありますが、例えばチラシや新聞を印刷して配ることは、政治違反にならない部分があって、『党勢拡大のため新聞を拡張する』というような意味合いで取ることもできます」

Q.政治資金規正法と国民感覚のズレみたいなものが、根本にあるわけですよね?
(泉氏)
「今のお話しでも、印刷費そのものの紙代はしれています。それに切手を貼って送るから高いのであって、ポスティングはボランティアでやれば、お金はほとんどかかりません。また、今はネットの時代ですから、同じ情報をネットで発信すればほぼ無料です。やり方次第でお金はいくらでも抑えられると思います」

「一度本人の管理下に入った分は所得、課税の可能性」国税局は“切り込む”ことができるのか?元東京国税局の税理士が指摘

 「聞き取り調査」に対し、「派閥から『記載しないでいい』と言われたので、裏金みたいなものではないかと思い全額残した」と言った議員がいましたが、元東京国税局・上席国税調査官の田口浩志税理士によると、「『政治資金なので戻す』と言い出す可能性はあるが、一度本人の管理下に入っているので、基本的に本人の所得となり、課税となる可能性が高い」といいます。

Q.「裏金だと思って取っておきました」は、通用しないということですか?
(泉氏)
「通用しません。政治家は責任を取ることが仕事です。刑事責任も逃れて政治責任も取らないんだったら、せめて納税責任ぐらい取らないと、国民は納得しないと思います」

 国税局が“切り込む”可能性について田口税理士は、「政治資金収支報告書を修正したとしても、調査対象として逃れられるわけではない。国税局が『個人の所得だ』と判断すれば、任意調査もしくは強制調査を行う可能性もある」といいます。ただ、国税局には守秘義務があるので、現在すでに調査が行われている可能性もあります。任意調査や強制調査では、領収書等がなくても様々な角度から金の流れを検証するということです。

Q.政治不信・政治無関心を自民党はどのように回復させるかというのが、大きな問題ではないですか?
(有馬氏)
「それで野党から求められている政倫審(政治倫理審査会)を受けるということなのですが、ここで実態がきちんとわかれば良いのですが、恐らくわからないということになると思いますので、形だけやっている振りをして、結果的に35年前のリクルート事件と全く同じで派閥の解消もできていないし、こういうお金も使えるということにして、政策活動費も随分前から『領収書がいらないお金が使えるのはおかしい』という声がありましたが、今回やっと国民の目に晒されたと。これまで我々専門家からは『おかしい話だ』という声はあったものの、我々のレベルでは手のつけようがなかったんです。ですので今回、政策活動費がどうなるかというのは見届けていきたいです」

Q.岸田首相は、どうしたら良いと思いますか?
(泉氏)
「首相の決断力に懸かっています。非公開ですし嘘もつけるので政倫審なんか意味なくて、証人喚問は最低限するべきです。ここまで落ちていますから、岸田さんは思い切って人間変わったつもりで、国民のほうを向いた政治をやったらどうですか」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年2月20日放送)

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