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あの郵便貯金…忘れていませんか? 貯金が消える?! 満期から20年2か月で国庫へ… “消滅”させないためにどうすれば? 【#みんなのギモン】

2023年9月4日 21:03
あの郵便貯金…忘れていませんか? 貯金が消える?! 満期から20年2か月で国庫へ… “消滅”させないためにどうすれば? 【#みんなのギモン】

みなさん、郵便貯金はお使いですか? 私たちの親世代や地方在住の方などはよく使っているかもしれません。
 
郵便局に預けたお金が“ある日”を境に、“国のお金になってしまう制度”があります。いま、この問題を巡り、国が見直しを始めています。

実は2007年10月1日の郵政民営化よりも前に預け入れられた定期貯金・積み立て貯金などは、満期から20年2か月が経過すると、「払い戻しを受ける権利が消滅してしまう」つまり引き出せなくなることが、法律で決まっています。(満期が設定されたものが対象なので、通常郵便貯金などは当てはまりません)

権利が消滅した貯金は国庫に入る、つまり「国のお金になる」のですが、その金額は…

なんと、毎年数十億円から、多いときで数百億円のお金が、口座名義人に渡らなくなっています。特に多かったのが2021年度で、457億円と過去最高だったのです。(独立行政法人郵政管理・支援機構のホームページより)

なぜ、こんなことになってしまうのでしょうか。

●巨額の“予備軍” なぜ権利消滅?
●放置のリスク 貯金守るには?

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■あの郵便貯金… 払い戻さないと「20年2か月後」に国庫へ…

郵政民営化の前に預けられた貯金を管理する独立行政法人郵政管理・支援機構によると、まず満期を迎えたときに「(最初の)満期のお知らせ」が名義人に行っているはずだといいます。「払い戻してください」という案内です。

それでも払い戻しがされないと、満期から10年後、そして満期から20年後のそれぞれに案内が行きます。20年後のときは「権利が消滅する可能性があります」という案内である「催告書」というものを送るといいます。

それでも払い戻しの請求がなければ2か月後、つまり満期の日からは「20年と2か月後」に払い戻す権利が消滅し、国のものとなるのです。

さらに、満期から10年を迎えてもそのままになっている郵便貯金、権利が消滅しそうな、いわば“予備軍”の金額は、昨年度末で3000億円近くにのぼっています。

■貯金を放置…“消滅”の理由 “貯金を忘れてしまう”から

定期貯金や積み立て貯金なので相応の金額になっている方も多いと思われます。自分の貯金なのに、なぜ払い戻ししないのでしょうか?

関係者によると一番多い理由は、「貯金をしていたこと自体を忘れてしまう」ということだそうです。本人が忘れるケースのほかに、以下のようなケースがあります。

◇実家の親が亡くなったり施設に入ったりした際、子どもが実家の片付けをしたときに「親の通帳」が出てきた。
◇親が「子どものために積み立てた定期貯金」が忘れられていた。
◇昔は作ることができた「ペット名義の定期貯金」が忘れられていた。
◇引っ越し後の住所変更手続きをせず「催告書」が届かない。

「催告書」ははがきで送りますが、郵政管理・支援機構によると2021年に送った15万通の案内のうち約8割にあたる11万5000通が、宛先不明などで返ってきたということです。

■ルールの見直し 国が要請… 預金者にいっそう寄り添う運用に

国民の大事な貯金です。定期貯金で満期となれば額も相応になります。それが失われるわけですから今月、国も関係機関に対応の見直しを求めました。

松本総務相(9月1日)
「今般、この運用について10年以上にわたる運用状況を踏まえて、預金者にいっそう寄り添う観点から必要な見直しについて検討していただくことが適当ではないかと考えて、要請した。真にやむを得ない事情があったと判断される方には、払い戻しに応じる(検討をお願いした)」

つまり「郵政民営化から15年以上たつので、いまのルールの運用を“もっと国民に寄り添う形”に見直すように検討をお願いしたい」というのが松本総務相の話の趣旨です。

■現在の“厳格な対応”とは? “どういう事情があったか”を証明…

現在、払い戻し請求者に対するルールの運用は、次のように“かなり厳格”です。

◇「忘れていました」 → 原則払い戻しせず
◇「病気でした」→ 診断書の提出が必要
◇「海外に長年いた」 → 当時の旅券などで証明

そこで今回、総務省は機構に対し「運用は適切に行いつつも、払い戻しを請求する側の負担は軽くして」と“柔軟な対応”を求めたわけです。関係者によると「これからは本人確認がしっかりできれば“どういう事情があったか”の証明は、厳格に求めないことになると思う」と話しています。

国からの要請を受け、郵政管理・支援機構は7日までに何らかの返答をするということです。

■貯金守るには…まず窓口や店舗で確認を 払い戻し手続きは?

権利が消滅してしまった方の中にも「払い戻しができるならしたい」という方はいると思います。国が柔軟な対応をしていく中、私たちは何を確認し、どう動くとよいのでしょうか。

まず、「権利消滅の可能性のある郵便貯金」があるのか、郵便局の貯金窓口あるいはゆうちょ銀行の店舗で確認しましょう。そこで「ある」とわかったら、すぐに払い戻し手続きを行いましょう。

窓口へ行く際には、通帳や証書は「あれば」でOKです。本人確認ができるマイナンバーカードや運転免許証なども持って行くといいそうです。

■ほかの銀行口座も注意! 10年以上取引がないと…

“銀行”の貯金は大丈夫でしょうか。ほかの銀行でも「10年以上、入出金などの取引がない預金は、民間の公益活動に活用される」という法律(休眠預金等活用法)があります。
ただ、通帳や本人確認書類を持参して手続きすれば、10年以上たっていても引き出せるので大丈夫です。

しかし、1つ気をつけたいのが「未利用口座」です。銀行によっては口座の管理手数料などがかかります。

たとえば三菱UFJ銀行では「2021年7月1日以降に開設し、2年以上一度も入出金がない普通預金口座」は管理手数料として年間1320円がかかります。引き落とされ続けて預金がなくなると、最後は口座自体が解約されます。

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ほかにも同様の手数料がかかる銀行はあります。ぜひご自分の銀行を調べていただきたいと思います。これをきっかけに、両親に連絡してそのような口座がないのか聞くのも、1つのコミュニケーションとしていいかもしれません。親の世代は「郵便局に預けたから大丈夫」という安心がありましたが、いろいろなニュースを見て、安心が不安に変わったという方もいるかもしれません。

今後の対応は柔軟になると思われます。心当たりのある方は、どうぞ落ち着いて窓口に申し出てください。

(2023年9月4日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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