南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」とは?

■「巨大地震注意」とは…
「巨大地震注意」は、南海トラフの想定震源域の周辺でM(マグニチュード)7クラスの地震が発生した場合など、巨大地震発生の確率が普段より高まったときに発表されます。
ただし、もう一つランクが上の「巨大地震警戒」と比べるとそこまで差し迫った状態で発生確率が上がってはいない状況といえます。
国は住民に対し、「巨大地震注意」が発表されたら日頃からの地震への備えを再確認し、いざ地震が起きたらどう行動したら良いかチェックし直してほしいとしています。
■2日前の地震で対策を見直したことが命を守ることに…
東日本大震災が起きた3月11日の2日前の3月9日午前11時45分頃、三陸沖を震源としてM7.3の地震が発生。青森県から福島県の太平洋沿岸に津波注意報が発表され、大船渡では55㎝の津波が観測されました。
この時、多くの人が「被害が大きくなくて良かった」とほっとしたわけですが、もしももっと大きな地震が起きたらどうしようかと、あらためて見直した人たちがいました。
宮城県石巻市の門脇小学校では、3月9日の地震の時に、うまく避難が出来なかったクラスがあったことから、職員の間で次に地震が起きた際にはきちんと行動できるように確認したと言います。そして、11日の巨大地震の際に門脇小学校は津波にのまれた上に火災で炎上してしまいましたが、校内にいた小学生らは学校の裏にある日和山に全員が避難して命を守ることが出来ました。
また、宮城県山元町の中浜小学校では3月9日に発生した地震を受け、大震災の前日に避難方法と避難先は津波到達予想時間で判断するといった避難マニュアルを再確認していたといいます。
結局、校長は時間がないと判断して垂直避難を決断し、屋上の屋根裏部屋みたいな倉庫で90人の児童や避難してきた住民の命を守ることができました。
このように、いざという時に備えて避難ルールなどを点検し直したことで命を守ることができたという事例が多くあります。