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飲酒運転…取り締まりの現場 人口10万人あたりの事故“最多”山梨県 「手持ちがなくて」平然とルール破り…

2023年10月4日 17:43
飲酒運転…取り締まりの現場 人口10万人あたりの事故“最多”山梨県 「手持ちがなくて」平然とルール破り…

全国で飲酒運転による人身事故の件数が最も高いのが山梨県です。軽い気持ちで重大事故にもつながりかねない飲酒運転。先月、取材班は一層強化しているという、山梨県警の飲酒運転の取り締まりに密着しました。

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山梨県は7月末までの人口10万人あたりの飲酒人身事故件数が、全国最多です。県警は“重大事故につながる飲酒運転の根絶が喫緊の課題”と話します。

取り締まりを一層強化していて、8月末までに摘発件数は202件。

 ●山梨県内飲酒運転摘発(8月末)
  摘発件数 202件(前年同時期+24件)
  飲酒人身事故 27件

ある日も、ハンドルを切るのが遅い車など怪しい挙動のドライバーに積極的に飲酒検査を行っていました。

捜査員
「前の運転手さん、この先左の交番に止めてください。左に寄ってください。ちょっとふらついたり、斜めに寄ったりとか…」
「運転手さん、膨らませてもらっていいですか、めいっぱいフーッて吹いてもらって。思い切り膨らませてください」
「飲んでないですね。(アルコール濃度)0.00ですね」

男性
「飲んでないって言ってるじゃないですか」

    ◇

日付が変わると、「飲んだら乗らない」というルールが平然と破られる現場に遭遇しました。

捜査員
「目が若干充血してるかな。ちょっと、お酒のにおいもするね」

車の動きがおかしい――警察はそれを見逃しません。車を運転していたのは女性で、甲府市中心街の飲食店で数時間飲酒をしたといいます。

捜査員
「どうして運転しちゃった?」

女性
「割と今は冷静で、帰れるかなと思った」

捜査員
「帰れると思っちゃった」

女性
「ちょうど手持ちがなくなっちゃって」

捜査員
「代行とかのお金が大丈夫かなって感じか」

検査の結果、呼気からは基準値以上のアルコール濃度が検出され、酒気帯び運転で摘発されました。

捜査員
「仕事や家族、今後の自分の生活もね」

女性
「大変なことになりますよね」

捜査員
「失うものが大きいから」

女性
「代行代のほうが安いですよね」

捜査員
「軽い気持ちでこういうことやると、もっと大きいことになっちゃうから、自分でやってしまったことなのでしっかり反省してもらって、今後二度としないようにしてもらいたい」

なくならない飲酒運転。死亡事故につながる危険性が高く、職や信頼まで失ってしまいます。県警は強く注意を呼びかけています。

山梨県警交通指導課 近藤豊次席
「飲酒運転による重大事故を招いたドライバーのほとんどが、“注意して帰れば大丈夫だと思った”という軽はずみな動機によるものです」
「飲酒運転は死の危険に直結する行為で、決して許されるものではありません。運転免許証の取り消し・停止等の厳しい行政処分や、民事の損害賠償が科せられ、加害者自身の人生をも崩壊させてしまう行為です。『飲酒運転をしない・させない』、この実践をお願いします」

県警が行った調査では飲酒運転した人の約6割が「注意すれば大丈夫だと思った」と答えていました。職場や家庭で飲酒運転をさせない雰囲気づくりが大切です。

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