GW前に懸念…沖縄のコロナ感染者数“最も深刻” 若い世代で第6波を超える
ゴールデンウイークを前に“第7波”が全国に広がっているのでしょうか。人気の旅行先の一つ、沖縄県では、新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻となっています。医師は「3回目の接種が進んでいないことも、増加の原因にあるのではないか」と指摘しました。一方、東京・豊島区では、若い世代に3回目のワクチン接種を受けてもらえるよう、ゴールデンウイーク中も集団接種会場を開く予定だということです。
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今月末から始まるゴールデンウイーク。大型連休を前に先月、最大震度6強の地震で一部区間で運休していた東北新幹線が、14日から全線で運転を再開しました。
通勤で利用する人
「(再開まで)もうちょっとかかるかなと思っていたんですけど、すぐに復旧していただいたので、すごく感謝しています」
新型コロナが流行してから初めて、移動制限がない中、ゴールデンウイークを迎えます。久しぶりの旅行や帰省を楽しみにしている人もいる中、専門家からは心配の声があがりました。
国立感染症研究所 脇田隆字所長
「地方での感染拡大には、注意が必要」
厚生労働省の専門家会議は13日、「岩手県や新潟県、鹿児島県など9つの県で、第6波のピークを超えている」として、地方での感染拡大へ懸念を示しました。
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中でも感染状況が深刻な沖縄県では、人口10万人あたりの新規感染者数が、全国で最多となっています。
こうした中、14日午後3時半すぎ、沖縄県の玉城デニー知事は緊急会見を開き、若い世代での感染拡大に危機感を示しました。
沖縄県 玉城知事
「10歳未満・10代・30代では第6波を超えて、過去最多の陽性者数が確認されるなど、大きな流行となっています」
ゴールデンウイークに多くの人出が予想される沖縄では、レジャー業界から不安の声が聞こえてきました。
石垣島観光 成底正好代表取締役
「できれば両手をあげて、『いらっしゃいねー!』って言いたいんですけど、データ(感染者数)が下がっていかない状況が続いているので」
例年、ゴールデンウイークはかき入れ時ですが、ツアー運行会社の代表成底さんは「(GWの)予約は、まだまだコロナ前までの雰囲気には戻っていない。やはり現地にきて、現地のコロナの状況とか、地元の人たちに(感染状況の)話を聞いた上で、参加を決めるという方がほとんどかなという感じ」と話します。
石垣島観光では、ツアーの参加人数を減らし、感染対策をとりながらツアーを運行するとしています。
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感染が広がる沖縄の医師も、危機感を募らせていました。
沖縄県立北部病院 永田恵蔵医師
「第6波が終わっていない中で、次の感染拡大が起きている。3月、4月で人の変わり目で、さらなる感染拡大が起きたので、新しい厳しい状況になっている」
感染者増加の理由について、永田医師は次のように話しました。
沖縄県立北部病院 永田恵蔵医師
「社会活動が元の状態に動き出してしまったということ。あとやっぱり(3回目の)ワクチン接種率の低さは、他県に比べたら影響しているかなと」
永田医師は「3回目の接種が進んでいないことも、増加の原因にあるのではないか」と指摘しました。
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一方、14日、新たに8540人の新規感染者が確認された東京では、若い世代の3回目のワクチン接種率が低迷する中、豊島区では少しでも接種率を上げようとする取り組みが行われています。
豊島区ワクチン接種担当 澤田健司課長
「大型連休ということで、これまで学校やお仕事等で接種の機会が得られなかった方については、ぜひご予約いただいて、接種にお越しいただきたい」
豊島区では、少しでも接種を受ける人を増やそうと、ゴールデンウイーク中も集団接種会場を開く予定だということです。
豊島区ワクチン接種担当 澤田健司課長
「接種を受けることによって、重症化予防とか、周りに感染を広げることをおさえることにもつながる」
これ以上の感染を広げないためにも、引き続き感染対策が求められます。