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「帰宅困難者対策」新たな対応方針を発表 鉄道耐震化やデジタル技術など現在の社会状況をふまえ

2022年8月26日 14:40
「帰宅困難者対策」新たな対応方針を発表 鉄道耐震化やデジタル技術など現在の社会状況をふまえ
去年10月7日 品川駅前

大都市で大規模地震が発生した時の「帰宅困難者対策」について、政府は鉄道の耐震化やデジタル技術など現在の社会状況をふまえた新たな対応方針を発表しました。

2011年の東日本大震災をきっかけに政府が策定した帰宅困難者対策のガイドラインでは、大都市においてマグニチュード7以上の大規模地震が発生した場合、救命・救助活動などを優先的に行うため、発災後3日間はむやみに移動を始めないという「一斉帰宅抑制」を求めています。

一方で近年の鉄道の耐震化の進展や社会状況の変化などに伴い対策を見直すため、専門家らによる検討委員会で議論が続けられていました。

26日に示された対応方針には、「発災後3日間の一斉帰宅の抑制」という従来の基本原則は維持しつつ、鉄道が早く運行を再開した場合は、帰宅困難者が安全に帰れるよう誘導方法など支援策を検討していくことが明記されました。

また、アプリなどのデジタル技術を活用して、帰宅困難者を保護するための一時滞在施設の開設状況。鉄道などの運行状況や運転再開への見通し。代替輸送の有無。駅周辺の混雑状況などの情報を適切に提供し、大勢が駅に殺到したり一斉に帰宅するのを抑制していきたいとしています。

一方、去年10月に千葉県北西部を震源として発生しマグニチュードは5.9だったものの、東京都足立区や埼玉県川口市で最大震度5強を観測した地震では、都内でも駅周辺に多くの帰宅困難者が発生していたため、今後はマグニチュード7に至らない地震でも対応を検討していくということです。

帰宅困難者対策は一斉帰宅による混乱を抑え、発災後の円滑な救命・救助活動等のためにも重要ですが、政府の実施したアンケートによると「発災後3日間の一斉帰宅の抑制」という従来の基本原則自体、国民の認知度が40%程度にとどまっているということです。

政府は今後、適切な啓発にもつとめていくとしています。

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