都内180か所“無料検査”実施 注意点も
新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染も各地で確認されてきています。そんな中、市中感染が確認された地域では、無料のPCR検査も始まっています。詳しくお伝えします。
■大都市を中心にオミクロン株の市中感染確認
26日、広島県で初となるオミクロン株の感染者が1人確認されましたが、この方も市中感染とみられます。広島県によりますと、感染者は広島市に住む20代で、今月22日に発熱などの症状が表れ、26日、ゲノム解析を行ったところ、オミクロン株と確認されました。現在、入院中ですが軽症だということです。
この方、海外渡航歴はなく、今月、すでにオミクロン株の感染者が確認されている関西地方を往来していて、広島県はそこで感染した可能性があるとみています。この方に関連する広島県内の濃厚接触者は1人で、PCR検査は陰性でしたが、ホテルで療養中だということです。
国内で渡航歴がなく、市中感染の可能性がある人は今月22日に大阪で初確認され、23日には京都、24日には東京、25日には福岡、26日は愛知と広島で確認され、大都市を中心に6都府県、合わせて27人にのぼります。
こうした事態を受けて、政府はオミクロン株の感染拡大が懸念される地域では、新型コロナかどうかの検査を無料で受けられるようにすると発表しました。
どの自治体で無料検査を実施しているか。27日、松野官房長官は午前の会見で「東京、京都、大阪、福岡、沖縄ではすでに実施している」と述べました。政府は他の自治体でも新たにオミクロン株への感染者が確認された場合、知事からの要請があれば検査を無料とする方針です。
■東京ではおよそ180か所で無料検査
東京都では、これまで無料の検査は都内12か所で実施していましたが、27日からは検査機関や薬局などおよそ180か所で、1日およそ3万件の検査が実施できるようになりました。
27日から追加となった検査センターを取材しました。
東京・新橋にある27日から無料の検査の対象となった「ピカパカPCRクイック検査センター新橋店」です。まだここが無料検査場だとあまり知られていないので、待っている人は、もともと有料で予約していた人がほとんどでした。
利用者(50代)
「今回無料ということになったので、こちらに伺いました。帰るかどうかギリギリまで迷ってずっと帰れてないので、ちゃんと検査して最善の処置をして、短期間で行って帰ってこようかと思って」
利用者(60代)
「私、持病もあって、報道みて新橋かいわいであると知ったから来た」
――東京都が無料で検査受けられるようにしたのは?
利用者(60代)
「大いに歓迎しますし、比較的早く対応されたのかなと思ってます」
都内の無料検査できる場所や営業時間などは、都のホームページで確認できます。対象となるのは、発熱などの症状がない都民です。ワクチン接種の有無にかかわらず「感染に不安を抱える人」「あらかじめ感染の不安を解消しておきたい事情のある人」などとしています。
検査には身分証が必要で、PCR検査か抗原検査を選んで受けることができるということです。それぞれ結果が出る時間と検査結果の有効期限が違いますのでご注意ください。
PCR検査は結果が出るのが翌日以降になる場合もあり、結果の通知書が効力を持つ有効期限は検体採取日の3日後までです。
抗原検査は5~15分でその場で検査結果が分かり、通知書の有効期限は翌日までです。
■予約が必要な事業者も
そして、気になるのが「予約なしで受けられる」ということだったんですが、27日、実施している事業者に電話取材をすると、実際は色々あるようで、新橋や池袋、羽田空港などで検査を実施している木下グループは「すでに有料の検査を予約した人がかなりの数いて、予約なしで来られたら、とてもじゃないけど対応できない」ということで、予約は必要だとしています。
新宿区にある「J-VPD東京ラボラトリー」では「都が予約なしでOKと言ったので、予約なしでも受けられるように頑張っている」ということです。ただ、「無料検査の対象場所になってから検査に来る人が圧倒的に増え、多いときだと30人待ちになることもある」と話していました。
年末年始にようやくゆっくりと遠方の家族と会えるという方も少なくないのではないでしょうか。人との接触機会が多い仕事に就く方や、ワクチンの接種を受けられない人で不安に感じる方は、検査をしてから会うのもいいでしょう。もちろん基本の感染対策は気を緩めず守って、気持ちよく再会したいものです。
(12月27日午後4時30分ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)