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精子バンクと連携 第三者精子で体外受精へ

2022年1月14日 18:45

東京・渋谷区の不妊治療専門クリニックが国内外の精子バンクと連携し、第三者の精子で、人工授精よりも妊娠率の高い体外受精を行うための運用を来週から開始します。

国内ではこれまで、夫が無精子症などの場合に行う不妊治療としては、日本産科婦人科学会が認めた12か所の登録施設において、人工授精のみが行われてきました。

しかし、妊娠率が低いため、より妊娠率の高い体外受精を希望するカップルが海外へ渡る現実があり、費用も含め、精神的にも患者の大きな負担となっています。

このため、日本産科婦人科学会の登録施設の1つ、渋谷区にある「はらメディカルクリニック」は、海外も含めた精子バンクを活用したり、一般から募集したりして、第三者から提供された精子を使って、人工授精よりも妊娠率の高い体外受精・顕微授精を行うことを決めました。

今月17日に手続きを開始し、今後、説明会なども行い、実際の治療は4月に始まる見込みだということです。対象は、夫が無精子症や、6回以上の人工授精でも出産できなかった夫婦などで、妻の年齢制限は採卵当時で42歳までとしています。

また、これまでの精子提供は、学会の方針のもと「匿名」でしたが、生まれてくる子どもの出自を知る権利について、国会などで議論が進められている現状も受け、「非匿名」での精子提供で体外受精を行うということです。

夫婦には、妊娠後に精子提供者の身長や体重、国籍や病歴などを伝え、子どもが18歳以上になり、希望した場合は、精子提供者との面会や電話にも応じる仕組みだということです。