保育所「休園」で看護師欠勤…医療現場は今
新型コロナウイルスの感染拡大で、保育施設の休園が急増しています。子どもを預ける先がないひとり親は生活への不安を抱えています。看護師が欠勤している医療現場では、一時救急車の受け入れができなくなるなど、一般病棟にもしわ寄せが来ています。
■“完全休園”で…「生活に直接響く」
さいたま市に暮らす30代の女性は19日午後、市内の公園で2歳の娘を遊ばせていました。
本来なら働いている時間ですが、「(通園する他の)園児に(新型)コロナ(ウイルス)の感染者が出てしまって、今(こども園が)完全休園の状態です」と言います。
娘を預けるこども園が18日から休園となりました。介護の現場で働くためテレワークもできず、娘を見るために仕事は休まざるを得なくなりました。
女性はひとり親で、身内にも頼れる人がいません。「パートなので、休んだ分だけお給料が入ってこない。これがいつまで続くのかというのは、生活に直接響くので心配ですよね」と話します。
コロナの感染拡大で急増している、保育施設の休園。さいたま市では18日時点で、454か所のうち38か所にのぼります(認可外除く)。
「(娘を)見てくれる人が他にいないので、(こども園は)本当になくてはならない(存在です)」
■テレワーク勤務でも…仕事をセーブ
妻と2人の子どもがいる銀行員も、長男の保育所が休園になりました。19日午後は、長男と積み木で遊ぶなどして過ごしました。
もともとテレワーク中心の勤務でしたが、仕事は昼までに終え、午後は子育ての時間に充てていました。「(休園で)仕事をセーブして子どもの面倒を見なきゃいけないところがあって、業務に支障を来たしているところが確かにあるのかなと思います」と話します。
保育施設の休園は全国的に広がります。愛知・名古屋市では60か所が休園し、園児約7000人に影響が出ているといいます。
まだ感染者のいない、市内のこども園の園長は「いろんなことで協力し合って『良かったね』と言っているのですが、警戒感というのはあります」と言います。
■医療現場…「シフト組めない」懸念
休園の影響は、医療現場にも及んでいます。
20あるコロナ病床のうち、19日時点で半数以上が埋まっている沖縄県豊見城市の友愛医療センター。看護師約10人が、休園などの影響で欠勤を余儀なくされ、人手不足が続きます。
友愛医療センターコロナ対策本部の業務調整担当者は「コロナではない救急の患者さんの受け入れなど、一般病棟にしわ寄せが来ていると思います」と明かします。現在は再開されたものの、一般病床では一時、救急車の受け入れができない状態になりました。
今後、また休園が広がった場合の影響について担当者は「シフトが組めなくなって、1人の看護師や他の医療従事者の方の負担が増えるというところと、患者さんに対しての十分なケアができないということが、一番懸念されることだと思います」と話しました。
(1月19日『news zero』より)