×

年金保険料の納付猶予制度、2035年まで延長見込み

2024年12月3日 20:09
年金保険料の納付猶予制度、2035年まで延長見込み

20歳以上の人は、年金の保険料を納めることが義務付けられていますが、就職ができないなどの理由で、所得が一定以下になった場合、保険料の納付を10年間猶予される特別な制度が、2035年まで延長される見込みとなりました。

国民年金保険料の納付猶予制度は、就職氷河期に就職できない人がいたことから始まったもので、本人と配偶者の前年の所得が、一定以下であることなどを条件に、保険料を納めるのを待ってもらえるもので、10年以内であれば、保険料をあとから納めることができます。

この制度の期限は、2030年6月まででしたが、3日の年金部会で、この期限を5年延長し、2035年6月までとする案が了承されました。制度を利用する人が増えているほか、2016年には、30歳以上の人も制度の対象になったため、それから10年たっておらず、保険料を後から納める人の状況がまだ把握できていないためです。

年内には、この件を含め、年金制度全体の改正案がまとまる予定です。

3日の年金部会で、厚労省が発表したデータによりますと、この保険料納付猶予制度で、10年以内に保険料を納めた割合は、7パーセントにとどまることがわかりました。(保険料の納付猶予が認められた月を合計し、そのうち、どの程度の月の分の保険料が後から納付されたかを計算したもの)

また、失業などではなく、学生であるなどの条件により、保険料の納付が猶予される、「学生納付特例」についても、追納納付率は、8.9パーセントにとどまっていて、3日の年金部会では、「20代のうちに、追納することにそもそも無理があるのではないか」「奨学金返済の負担が重く、年金保険料まで払うのが難しい」など、次回の改正では、この学生納付特例についても、抜本的な改革を求める意見が複数出されました。

最終更新日:2024年12月3日 20:38