加藤智大死刑囚の死刑執行 被害者は「本人も事件に対して分かってないと思う」
14年前、歩行者天国にいた、たったそれだけの理由で7人の命が奪われた東京・秋葉原の無差別殺傷事件。26日、加藤智大死刑囚の死刑が執行されました。被害者の1人が語ったのは…。
◇
東京・秋葉原で長年働く男性は、14年前のあの日のことをはっきりと覚えていました。
事件当時を知る男性(26日)
「ところどころ血だらけのところがあったんで、現実感がなかったですね」
2008年6月、秋葉原で刃物で刺されるなどして17人が死傷する無差別殺傷事件が発生しました。
目撃者(2008年6月)
「ぼんぼん刺して左の方へ逃げていった」
――犯人はどんな表情?
目撃者(2008年6月)
「にやけてた」
現行犯で逮捕されたのが当時25歳だった加藤智大死刑囚です。そして、26日、39歳になっていた加藤死刑囚の刑が執行されました。
古川法相
「慎重な上にも慎重な検討を加えた上で、死刑の執行を命令した次第です」
加藤死刑囚は、多くの人でにぎわう歩行者天国にトラックで突っ込み5人をはねた後、12人をナイフで次々と刺すなどしました。この事件で、19~74歳の男女7人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
加藤死刑囚
「世の中が嫌になった。誰でもよかった」
裁判では、インターネットの掲示板内で嫌がらせを受けたことなどから、怒りを覚えて犯行に及んだと認定されました。
一審、二審で死刑判決を受けた加藤死刑囚。弁護側は「犯行当時、責任能力がなかった疑いがある」として上告していましたが、2015年、最高裁は上告を退け、死刑が確定していました。
26日、被害者の1人の湯浅洋さんは「彼本人(加藤死刑囚)も、彼の起こした事件に対して分かってないと思うんですよ。(事件の責任を)果たしてくれてないと思うんですよね」と語りました。
(7月26日放送『news zero』より)