【解説】最高速度320キロから緊急停止 被害軽減へ少しでも早く送電停止させるシステム改良――新幹線の最新地震対策は
12月4日から10日までの期間、震度1以上の地震は34回ありました。このうち、震度3以上の地震は1回ありました。
▼4日午前11時21分ごろ、静岡県熱海市で震度3の地震がありました。震源は伊豆半島東方沖、地震の規模を示すマグニチュードは3.9、震源の深さは7キロでした。
東北新幹線では、2022年3月に福島県沖で発生した最大震度6強の地震で、走行中の新幹線が1編成、17両の車両のうち16両が脱線しましたが、乗客や乗員にけがはありませんでした。JR東日本は12月5日、「新幹線早期地震検知システム」の改良をおこない、2024年3月に運用を開始すると発表しました。改良によって平均1.3秒で新幹線への送電を止めるというものです。
JR東日本 深澤祐二社長
「地震発生時に新幹線をさらに早く緊急停止させます」
「(新幹線は)320キロで最高速で走っておりますから、できるだけ早く止めるというのが安全性を高めます。できるだけ被害を少なくするためには、1秒でも早く止めることが重要」
「早期地震検知システム」は、地震が発生すると近くに設置された地震計が、伝わる速度の速いP波と呼ばれる初期微動を検知して震源や地震の規模を推定、S波と呼ばれる大きな揺れが到達する前に被害が予測される沿線の送電を止め、走行中の新幹線に非常ブレーキをかける仕組みです。