天気悪いと調子も悪い……「気象病」とは? “10階以上の自宅や職場”も注意 発症率の高い地域と対策は【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「じめじめムシムシ…『気象病』にご用心」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●症状さまざま「気象病」とは?
●対策どうすれば?
「28日はほぼ全国的に雨が降り、じめじめムシムシと不快でしたよね。そんな雨の日など、天気の悪い日に体調が悪くなることはないですか?」
鈴江奈々アナウンサー
「体というよりは気持ち的に落ち込む、スッキリしない感じはあります」
斎藤佑樹キャスター
「現役時代に肩を痛めた後、1年くらいウズウズする、みたいなことはありましたね」
加納解説委員
「まさにお2人の症状、気象病のサインかもしれないんですよ。気象病とは、気候や天気の変化が原因で起こる体の不調の総称です」
「めまいや吐き気、頭痛、肩こり、けん怠感といった体の症状や、気持ちが落ち着かない、不安になるなど心の症状まで、人によってさまざまな症状が現れます。こうした気象病の症状が現れる原因の1つが、気圧の低下です」
「気圧が低くなると、耳の奥にある内耳に影響します。その異変が脳を経由して自律神経に伝わると、さまざまな不調が現れると言われています。そして、雨の日や台風が接近している時などは気圧が下がるため、気象病の症状が現れやすいです」
河出奈都美アナウンサー
「私はまさに、気圧が低い時に頭が痛くなりやすいんですよ。そのため、よく頭痛薬を飲むようにしています」
鈴江アナウンサー
「お薬飲むぐらい…。結構大変ですね」
河出アナウンサー
「雨が降っている時が多いですね」
加納解説委員
「そうなると心配なのが梅雨じゃないですか?」
河出アナウンサー
「もう、憂うつです…」
加納解説委員
「沖縄・奄美は5月21日ごろ既に梅雨入りしましたが、平年より遅かったんですよね。今年は全国的に平年より遅い予想です。関東甲信では気象庁によると平年は6月7日ごろに梅雨入りしますが、日本気象協会(tenki.jp)によると今年は6月中旬とみられています」
鈴江アナウンサー
「梅雨となると気象病を抱えてる方は本当に大変ですよね」
加納解説委員
「気象病は、『天気痛』とも呼ばれることがあります」
「民間の気象情報サイト・ウェザーニュースが去年行った調査では、『あなたは天気痛(気象病など)を持っていますか?』という質問に対し、『はい』もしくは『持っている気がする』と答えた人の割合は女性で8割以上、男性で5割以上でした」
「かなり多くの人が悩んでいらっしゃるんですね」
森圭介アナウンサー
「こんなに多いんですね。そう考えると、私は気象病はないと思っていましたけど、調子悪いのは気象病(の影響)なんじゃないかとだんだん思えてきますよね」
鈴江アナウンサー
「疑い始めますよね」
加納解説委員
「自覚がない方もいらっしゃるみたいですね。せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長が使用しているという、気象病チェックリストがあります。その一部を紹介します」
「『天候が変わる時に体調が悪い』『耳鳴りやめまいが起こりやすい』『猫背、そり腰 姿勢が悪い』など12項目があります。皆さんは事前に、当てはまる項目がないか考えてもらいました」
斎藤キャスター
「『PC作業やスマートフォンの使用が1日平均4時間以上』『エアコンが効いている環境にいることが多い』の2つです」
森圭介アナウンサー
「私はその2つに加えて、『姿勢が悪い』と『ストレッチや柔軟体操をすることが少ない』もあります」
鈴江アナウンサー
「斎藤キャスターの2つに加えて、『肩こりや首こり 首の外傷歴がある』『日常的にストレスを感じている 特に精神的なストレス』の4つが当てはまりました」
河出アナウンサー
「『天候が変わる時に体調が悪い』、『姿勢が悪い(そり腰)』『雨が降る前や天候が変わる前に何となく予測ができる』、『歯の食いしばりや、歯ぎしり、歯の治療が多い 顎関節症と言われたことがある』など6つでした。ちょっと多いですかね…」
加納解説委員
「これが5つ程度当てはまると、気象病の可能性が高いということです。特に『天候が変わる時に体調が悪い』『雨が降る前や天候が変わる前に何となく予測ができる』に当てはまる人は、ほぼ気象病だとみられるそうです」
加納解説委員
「さらに、ウェザーニュースの去年の調査によると、天気痛の発症率の高い地域というのがあります。何が関係しているか分かりますか?」
斎藤キャスター
「標高が高いところとかですかね?」
森アナウンサー
「山があるところですか?」
加納解説委員
「台風の接近や上陸の頻度が高い場所です。台風の接近や上陸が多いと、大きな気圧低下にさらされる機会が多いため、発症率が高くなったと考えられるそうです」
加納解説委員
「さらに、地域だけではなく生活環境も関係がありそうです。久手堅院長によると、気象病では気圧が5ヘクトパスカル下がると不調が出始めますが、高層ビル10階で、地上と比べて約5ヘクトパスカル気圧が下がるそうです」
「そのため自宅や職場が10階以上という方は、出入りするだけで1日に何回も気圧の変化を受けますので、気象病になる可能性があるということなんですね」
森アナウンサー
「職場が高いビルの人やタワーマンションにお住まいの人は、1日何往復もして5ヘクトパスカルの変化を何度も受けているということなんですね」
加納解説委員
「気付かないうちに影響を受けて不調だという方もいらっしゃるかもしれませんね」
加納解説委員
「久手堅院長によると、自律神経を整えるための方法があります。『耳マッサージ』は、耳を5秒くらい少し引っ張る、離すを繰り返したり、手で覆って温めたりするのが良いそうです」
「そして規則正しい生活を心がけ、特に午前中に日光を浴びることが大切です」
「また『腸活』ということで、ヨーグルトなどおなかに優しい食べ物をとると良いそうです。体の不調につながる指示を出している脳は、腸と密接に影響を及ぼし合う関係にあります。そのため、腸を整えることで不調が改善されるということです」
鈴江アナウンサー
「腸を整えることが自律神経を整えることにもつながるんですね」
加納解説委員
「そうなんです。その結果、症状が和らぐということですね。さらに、長時間同じ姿勢でいるのは良くないので、スマホやパソコンを使い過ぎないように気を付けてほしいといいます」
森アナウンサー
「分かっているんですけど、なかなか直らないんですよね…」
加納解説委員
「早めの対策をするために、ウェザーニュースの『天気痛予報』も利用できます。気圧の変化や半日周期の気圧の振れ幅などから予測され、『安心』『やや注意』『注意』『警戒』の4段階で表示されています」
「29日は、沖縄・那覇以外は一番高い『警戒』の予報。さっそく自律神経を整えるなど対策を取った方が良さそうです」
鈴江アナウンサー
「天気痛予報があるって知ってました?」
森アナウンサー
「全く知らなかったです」
鈴江アナウンサー
「こういった身近なツールを使って対策することもそうですし、何よりも影響を受けにくいように自律神経を整えることが大事なんですね」
加納解説委員
「どういう天気の時にどういう症状が出るかも自分でメモをして、いろいろ考えてみるのも良さそうです。7月ぐらいまでしんどい時期が続きそうです。天気予報をチェックして、症状が重くなる前に対策を取っていきましょう」
(2024年5月28日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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