浄化システム 27日にも本格運転を再開へ
トラブルが続く福島第一原子力発電所の汚染水浄化システムについて、「東京電力」は、早ければ27日にも本格運転を再開したい考え。
高濃度の放射性物質を含む汚染水を浄化するシステムは、18日にわずか5時間で本格運転が止まった後、修理・点検と試運転を繰り返しているが、25日も試運転中に装置が一時停止した。原因は水位計の故障で、その後、試運転を再開したという。これまでの試運転で、放射性物質の濃度を10万分の1レベルに下げられることがわかっていて、東京電力は27日にもシステムの本格運転を再開し、浄化して淡水にした水を原子炉の冷却に使い始めたいとしている。
一方、2号機では22日に取り付けた仮設の水位計が作動せず、正確な水位が測れない状態となっている。水位計の配管が通っている格納容器の温度が高いことが影響しているとみられている。東京電力は「対策を検討したい」としているが、具体的なメドは立っていない。
福島・いわき市の小名浜港では、1号機の原子炉建屋を覆う巨大な鉄骨の仮組み作業が行われている。1号機は水素爆発で原子炉建屋が大きく破損していることから、建屋を覆う鉄骨を組み、カバーをかけることで建屋に雨水が入ったり放射性物質が風で飛散したりすることを防ぐ狙い。鉄骨は今後、船で運ばれ、27日から設置に向けた本格作業が始まる。