第8波迫る中…学校生活に変化 子どもの体力低下…“ボルダリングの壁”で対策も
29日、新たに全国で12万7422人の新型コロナウイルス感染が確認されました。第8波の感染はどこまで拡大するのでしょうか。一方、学校生活の中の新型コロナ対策には、変化も出始めています。
◇
新型コロナの第8波到来が懸念される東京。千代田区では、さらなる感染拡大を防ぐため、ある取り組みが始まっています。
千代田区・政策経営部・広報広聴課 林利夫課長
「『CO2センサー』といって、空気中の換気を測るモニターを(希望された)区民の皆さん宛てに貸し出しするという取り組みを始めます」
空気中の二酸化炭素の濃度を測る道具200台を、来月1日から貸し出すといいます。(※すでに受け付けは終了)濃度は数値化され、表示される数値が1000ppmを超えると「換気が必要」という目安になります。
区の担当者によると、普段、生活する中で注意が必要なのが「車の中」だといいます。通常、窓を閉めた状態では3000ppmほどの数値になるということですが、4人が乗った車内でも、外気を入れるとCO2濃度は800ppm台になっていました。
千代田区は換気の基準を“見える化”することで、感染リスクを下げるために活用してほしいということです。
千代田区・政策経営部・広報広聴課 林利夫課長
「今回、第8波を想定していますので、年末年始の人の集まりや帰省を含めまして、1月末まで貸し出しをする予定でございます」
◇
千葉・市川市にある会社も、すぐそばにまで迫った第8波を感じていました。
ジャパンキャンピングカーレンタルセンター 広報担当・前西原茉穂さん
「こちらが医療用のキャンピングカーとなっております」
この会社では、キャンピングカーを移動式の診療室やPCR検査場などに作りかえて、貸し出しを行っています。
ジャパンキャンピングカーレンタルセンター 広報担当・前西原茉穂さん
「インフルエンザと第8波がこの後、冬に来ることをすごく懸念されている方が多いようで、自治体や医療関係者の方から、すごくお問い合わせをいただいておりまして」
今月までの3か月間の問い合わせの数は、夏場と比べ約2倍に増えているということです。
◇
東京・港区の小学校では、引き続き感染対策を徹底しています。
港区立白金小学校 吉野達雄校長
「(第8波で)改めて、子どもたち・教職員に意識させて徹底するということが大事だと思っております」
ただ、長引くコロナ禍で影響を与えているというのが、子どもたちの体力の低下です。
港区立白金小学校 吉野達雄校長
「運動する機会が減ったと、またステイホームということで、外で遊ぶ機会が減ったといわれているので」
港区では、昨年度の体力測定の結果が過去5年で最低になっています。そこで、校舎の壁にボルダリングの壁を設置しました。
白金小学校では2020年から導入すると、昨年度の体力測定の結果が、コロナ禍前の全国平均と比較しても、ほとんどが上回っていたということです。
小学2年生
「一番最後までいくのが楽しかったです」
港区では、区立の小学校・幼稚園すべてで年度内にボルダリングの壁を設置する予定だということです。
◇
学校生活のコロナ対策をめぐっては、新しい動きも出てきています。
文部科学省は全国の教育委員会に対し、給食の時間に黙食を求めないなどと改めて通知しました。
通知では、新型コロナに対する感染防止策を講じれば、児童生徒が会話を行うことも可能などとしています。また、学校生活の中で十分な距離が確保でき、マスクの着用が不要な場面では積極的にマスクを外すことを促しています。