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東電社員死亡、屋内の作業員に避難指示なし

2011年8月2日 16:46
東電社員死亡、屋内の作業員に避難指示なし

 福島第一原子力発電所で「東京電力」の男性社員2人が東日本大震災の津波に巻き込まれて死亡した事故で、大津波警報が発令された後も、屋内にいた作業員に具体的な避難指示が出されなかったため、逃げ遅れた可能性があることがわかった。

 死亡した2人は、3月11日の地震発生直後に4号機のタービン建屋で水漏れの警報が鳴ったため、現場責任者からの指示で点検作業に当たったという。その後、大津波警報が発令され、敷地内では一斉放送で避難指示が出された。しかし、マニュアルでは、対象は屋外の作業員のみだったため、屋内にいた作業員には具体的な避難指示は出されなかった。

 東京電力は「津波が屋内まで侵入することは想定していなかった」と説明していて、2人が屋内にとどまって点検作業を行ったため、逃げ遅れた可能性があるという。