東京・港区の北里大学医学部の元教授が、国の研究補助金約２７００万円を不正に受け取っていたことがわかった。

　北里大学によると医学部の元教授（５３）は、０７年度と１０年度に厚労省の研究費補助金計約２億２０００万円を受け取っていた。補助金対象の研究のうち、システム開発などの作業を自分が理事長を務めるＮＰＯ法人など３つの団体に委託し、作業が十分進んでいないのに虚偽の納品書を作るなどして完成したように見せかけ、約２７００万円の補助金を不正に受けていた。

　北里大学は不正を把握し、去年５月、加算金を含む約３２４５万円を国に返還した。

　この元教授は、出勤停止２か月の懲戒処分を受けた後、依願退職していて、「私的流用はなかった」と話しているという。