塩谷町で湧水保全条例案を全会一致で可決
栃木県で、放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場の候補地に選定されている塩谷町は19日、臨時の町議会を開き、対抗策として候補地近くにある湧き水や自然を守る保全条例を全会一致で可決した。
東京電力福島第一原発事故で出た、1キログラムあたり8000ベクレルを超える放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場について国は、栃木県については塩谷町の国有地を候補地としている。しかし、候補地近くには名水百選にも選ばれている湧き水があり町の観光の目玉などになっている事から町は国に対して候補地の撤回を求めている。
19日開かれた臨時の町議会では、候補地選定を撤回させるための対抗策として高原山・尚仁沢湧水保全条例案を全会一致で可決し即日施行した。この条例では、候補地を含む尚仁沢一帯の約50平方キロメートルのエリアで、廃棄物処理事業などを行う場合には町の許可が必要などとしている。
一方、環境省は住民に対して説明会を開いて、詳細調査の実施に理解を求めたい考えだが、町民の反対は根強く開催のめどはたっていない。