“移設反対”翁長氏 初当選の背景は…
アメリカ軍普天間基地の移設問題が最大の争点となった沖縄県知事選挙は16日、投票が行われ、移設に反対する無所属の新人・翁長雄志さん(64)が初当選した。翁長さんが初当選を果たした背景について、那覇支局・佐藤拓記者が報告する。
現職の仲井真弘多さん(75)を破っての翁長さんの当選は、普天間基地の辺野古移設に反対する沖縄の民意の底堅さをあらためて示したものだ。
4年前の知事選で基地の県外移設を掲げ当選した仲井真さんが、一転して辺野古の海の埋め立てを承認したことに、多くの県民が失望し反発した。これに加え、かつては仲井真さんの選挙で選対本部長まで務めた翁長さんが、移設反対の立場を鮮明にして立候補した。そして、革新系の支持者だけでなく、保守系の議員や経済界の一部も巻き込み、いわゆる「オール沖縄」の支援態勢が確立され幅広く支持が広がった。
翁長さんは就任後、仲井真県政が行った海の埋め立て承認について、取り消しや撤回も視野に、辺野古移設阻止のためにあらゆる手段をとる構え。
今回の知事選挙で示された沖縄県民の民意を、政府がどう受け止めるのかが注目される。