障害者雇用水増し 厚労省出向者が関与
労災病院などを運営する独立行政法人が障害者雇用率を水増しして国に報告していた問題で、第三者委員会は、10年以上にわたり厚生労働省からの出向者が虚偽に関与したとする調査報告書をまとめた。
第三者委員会によると、独立行政法人「労働者健康福祉機構」の歴代の総務部長らは、遅くとも2000年頃から、雇っている障害者の数を実際より多く計上するなどし、法律で定められた障害者雇用率を上回るよう水増しを続けたという。歴代の総務部長や人事課長は厚労省からの出向者で、不正と知りながら虚偽を続けた動機について、「過去の虚偽が発覚し、歴代の労働事務次官が務める機構の理事長に迷惑がかかることなどを恐れた」としている。
報告書は「法令順守よりも前例踏襲と組織防衛を最優先する体質」と結論づけ、監査などを強化すべきとし、厚労省からの出向についても十分な検証が必要だと指摘した。