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医療事故調の検討会 意見対立で骨子見送り

2015年2月26日 0:24

 医療機関で起きた死亡事故を調査する新たな制度について議論している厚生労働省の検討会は、遺族の代表と一部の医師らとの意見が対立し、25日に予定していた骨子のとりまとめを見送った。

 患者の死亡や死産について第三者機関などが調査する医療事故調査制度は、今年10月からの実施が決まっていて、その詳細について、医師の代表、医療事故の遺族、弁護士らで構成する検討会で議論している。

 新制度では、患者の死亡、死産のうち、医療機関が医学的観点から「死亡するとは予期しなかった」事例を「事故」とみなす。そして、医療機関に、その事例の原因究明にむけた事実関係の調査などを義務付ける。医療機関は、その調査結果を遺族に説明し、新たに作られる第三者機関、医療事故調査・支援センターにも報告しなければならない。

 検討会では、「遺族への説明」の際、医療機関がまとめる調査報告書を遺族に渡すかが最大の論点となった。遺族らは、口頭の説明だけでは分かりにくい上、断片的な情報でなく、事故の全貌を把握するためには、報告書そのものを受け取りたいと主張している。一方、医師代表の一部は、調査報告書を遺族に手渡すと、医師らの責任を問う裁判などに使われることが予想され、医療現場から調査に協力が得られなくなると強く反対し、折り合いがつかなかった。

 厚生労働省は、再度、文言を調整して、新しい制度の骨子のとりまとめを目指し、今年10月からの制度実施にむけた準備に入る予定。

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