8年前、神奈川県平塚市内の保育園で当時1歳だった園児に暴行を加え、死亡させた罪に問われている元保育士の女の裁判員裁判で、横浜地裁は16日、無罪判決を言い渡しました。

元保育士の嘉悦彩子被告（49）は2017年4月、神奈川県平塚市内の保育園で当時1歳だった柳田彩花ちゃんの後頭部に暴行を加え死亡させた罪に問われています。

これまでの裁判で嘉悦被告は「ケガをさせていません」などと一貫して無罪を主張。検察側は「保育室で見守りを担当していたのは被告人のみで、 暴行を加えられるのは被告人しかいなかった」などとして懲役10年を求刑していました。

16日の判決で横浜地裁は、園児の頭部にできた頭蓋骨骨折やくも膜下出血などの傷害について、「園児の後頭部に大きな力がかかり、致命的なくも膜下出血が生じて即死した」などとした鑑定医の証言が医学的根拠を欠くとした上で「頭部にできた傷害が死因であるとは認められない」などと指摘。

「頭部の傷害が生じた時期が、園児と被告人のみが同じ部屋にいた時間帯であるとは確定できない。 園児に傷害を生じさせた暴行の犯人であるとして有罪とする根拠はなく、被告人に対し無罪の言い渡しをするほかない」などとして、嘉悦被告に無罪判決を言い渡しました。