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美浜原発3号機 活断層結論前に審査本格化

2015年4月8日 21:03

 福井県にある美浜原発3号機について、原子力規制委員会は8日、「敷地内の断層が活断層だという明確な証拠はない」との意見で一致し、審査を本格化することを決めた。

 関西電力は先月、美浜原発について、1号機と2号機の廃炉を決めたが、3号機については再稼働を目指し、原子力規制委員会に新規制基準の適合性審査を申請している。しかし、美浜原発の敷地内にある断層については、活断層の可能性が指摘されていて、原子力規制委員会のもとで専門家会合が議論を続けている。

 6日の専門家会合では、「活断層だという明確な証拠はない」との見方でほぼ一致したものの、「活動の可能性は明確には否定できない」との意見や、データの不足を指摘する意見もあり、最終的な結論はまだ出ていない。

 こうした中、原子力規制委員会は8日、「敷地内の断層が活断層だという明確な証拠はないと専門家会合で大筋一致した」として、美浜原発3号機の審査を本格化させる方向で一致した。

 美浜原発3号機は、運転開始から約40年が経過したいわゆる「老朽化原発」で、再稼働のためには、新規制基準の適合性審査のほか、老朽化対策についての審査にも「合格」する必要があり、その期限である来年11月までに審査を終えなければならないことから、専門家会合の結論を待たずに審査を本格化する形。

 田中委員長は委員会後の会見で、「限られた時間の中できちんとした審査をするためには、審査に充てる時間が少しでもあった方が良い」とした上で、活断層かどうかについては、「有識者会合の結論を参考にして、最終的には適合性審査の中で判断する」と話している。