逮捕の男“小型の刃物”隠し持つ…自宅からは火薬のような粉末など押収 演説会場爆発物事件
15日、和歌山市で、岸田首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、逮捕された男が、小型の刃物を隠し持っていたことが分かりました。
事件があった漁港に設置された防犯カメラの映像には、岸田首相が乗った車の列が会場に到着した約1分後、逮捕された木村隆二容疑者とみられる男がリュックサックを背負い、会場に向かって歩いていく様子がとらえられていました。事件が起きたのは、この数分後でした。
15日、和歌山市で岸田首相が演説する直前、爆発物が投げ込まれた事件では、兵庫県川西市に住む木村隆二容疑者が威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されました。16日、木村容疑者を最初に取り押さえた男性が取材に応じました。
容疑者を取り押さえた男性「(容疑者が)ものを投げたのを見ていた。手元で何かしているのが見えて襲いかかった。安倍元首相の一件もあったので、まさかと思いながら無我夢中で飛びかかった」
警察は約8時間半にわたり木村容疑者の自宅を捜索し、火薬のような粉末や工具類、パソコンやタブレットを押収しました。また、木村容疑者は、手提げかばんの中に、刃の部分が13センチほどある刃物を隠し持っていたことも新たに分かりました。
警察は、現場で見つかった金属製とみられる筒や、木村容疑者が握っていた筒は、木村容疑者が自ら作った爆弾の可能性があるとみて、慎重に調べています。
一方、木村容疑者が去年9月、自民党系の当時の川西市議会議員の市政報告会に参加していたことが、自民党関係者への取材で分かりました。報告会の後、木村容疑者とみられる男が市議に、「川西市議の報酬は良いですか」と声をかけるなど、政治に強い関心がある様子だったということです。
木村容疑者は調べに対し黙秘していて、警察は事件の背景も調べています。