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「普通の青年」思想的背景や動機はまだ分からず 総理演説直前に爆発物

2023年4月16日 0:57
「普通の青年」思想的背景や動機はまだ分からず 総理演説直前に爆発物

15日午前、和歌山市で岸田総理大臣が演説する直前に爆発物が投げ込まれ、警察は、その場で取り押さえられた男を、威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕しました。

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事件は、和歌山市にある雑賀崎漁港で起きました。15日午前、衆議院補欠選挙の応援演説のため現地に到着した岸田総理は、地元の海産物を振る舞われ、記念撮影などを行っていました。

その後、午前11時半ごろ、演説のため演台のある方へ移動し、候補者と話をしていると、何かが投げ込まれたのか金属的な音がし、その直後に聴衆から悲鳴があがりました。

岸田総理は、SPに守られすぐに避難。同時に聴衆の中では、男性らが1人の男を取り押さえ、警察官もなだれ込むようにして男に覆いかぶさっていきます。その直後、「ドーン!」という爆発音と同時に演台の方で白い煙が広がりました。映像を確認すると、岸田総理が突然振り返っています。一体、何があったのでしょうか?

会場にいた人が撮影した映像では、岸田総理の背後に何かが投げ込まれ、SPがすぐさま総理を退避させています。最前列にいたと言う人は──。

最前列にいた人「黒い筒のようなものが飛んできて、端っこのほうがチカチカ光っていて、怖くて、ヤバイと思って、すごい勢いで走って逃げました」

男は、取り押さえられた際、左手に銀色の筒のようなものを持っていました。さらに、映像からは、右手に別の黒い小さなものを持っているように見えます。

警察によりますと、男は兵庫県川西市に住む職業不詳の木村隆二容疑者(24)で、威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されました。警察署に身柄が移されましたが、調べに対し「弁護士が来てからお話しします」と供述しているということです。

一方、岸田総理は予定通りの日程をこなすと発表。事件から1時間後には、すでに和歌山駅前にいました。

岸田総理「先ほど、雑賀崎の演説会場において大きな爆発音が発生しました。今、詳細は警察の方で調べていただいております」

その後、午後3時半すぎに飛行機で東京に戻り、千葉県内2か所での応援演説を予定通り行いました。千葉県警によりますと、爆発を受けて警備体制が強化されました。岸田総理は16日も選挙の応援のために大分を訪れる予定です。

総理は、爆発現場で木村容疑者を取り押さえた地元の漁師ら2人にお礼の電話をかけました。

岸田総理から電話があった濵田光男組合長「『いろいろ迷惑かけてすみません。電話でもお礼の言葉いいます』って電話をくれた。ただ、歯がゆいだけのことでな、こんな静かな町で」

事件から3時間後、現場では爆発物処理班が、残された筒やリュックサックなどを確認する様子が見られました。

事件を受け与野党からは、「民主主義を踏みにじる暴挙で、強く非難する」というコメントが相次いでいます。

逮捕された木村容疑者は、兵庫県川西市に住んでいて、警察庁によると、これまでに思想的な背景や、動機を示すものは見つかっていないといいます。

近所の人「こんにちはと言えば、向こうも小さい声で『こんにちは』と。常識の範囲で普通の青年」

警察によると、事件当時の聴衆はおよそ200人。木村容疑者が岸田総理の動きに合わせ前方に移動する様子が記録されていました。安倍元総理の銃撃事件を受けて、警備体制が強化されていましたが、総理と聴衆の間に壁となるようなものはなく、総理と木村容疑者の距離は10メートルほどでした。

警察は、事件に至った経緯を詳しく調べるとともに、警備体制について検証する方針です。