【映像検証】岸田首相演説の爆発現場で何が? 投げ込まれた“銀色の筒”は
15日午前、岸田首相が選挙の応援演説を行う予定だった会場で爆発がありました。男1人が逮捕され、岸田首相にケガはありませんでした。首相の演説直前に会場で起きた爆発。事件前後の映像と証言から、その詳細に迫ります。
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15日午前11時28分、日本テレビの記者が撮影した映像。
「離れてください!」
警察官らから手足を押さえつけられる男の姿が確認できます。そして…
「ドーン!」
大きな爆発音がした後、人々が逃げ惑う様子が。
15日午前、衆議院補欠選挙の応援演説のため、和歌山市に到着した岸田首相。振る舞われた刺し身を試食した後、新鮮なエビとともに記念撮影をしていました。大勢の観衆に囲まれ、前の方に移動したその直後…
「パン!」
「キャー!」
突然、何かが落ちたような音がして、観衆の中にいる若い男をまわりにいた人たちがとりおさえようとします。
「逃げて!」
そして、最初の音からおよそ50秒後。
「ドーン!」
今度は大きな爆発音が。前の方には白い煙も確認できます。その後、両手両足を押さえられ運ばれる男。
警察は威力業務妨害の疑いで、兵庫県川西市に住む木村隆二容疑者(24)を現行犯逮捕したと発表しました。
別のカメラでは、最初の音の後、SPに守られ退避する岸田首相の姿が。そして…
「ドン!」
ちょうど、首相がいた場所のすぐ近くから白い煙が上がる様子が確認できます。音が鳴った時、地面に何かを見つけて振り返ったようにも見える岸田首相。いったい、何が起きたのでしょうか。
目撃者「(木村容疑者が)発煙筒みたいなものを投げた。しゅって投げた。『なんや』って言っていたら、みんな『わーっ!』て来たから、『逃げなやばい』って言っていたらボーン(と爆破音がした)」
目撃者「銀色のジュースの缶みたいな大きさのものだったかな。筒状っていうかダンベルっぽいような形のもの」
人々が目撃したのは、銀色の筒。これは爆発音の後、現場の近くに落ちていたものです。
実は爆発音の直前、男の左手に銀色の筒のようなものが。さらに右手には、別の黒い小さいものを持っているように見えます。
最前列にいたという人は。
目撃者「黒い筒のようなものが飛んできて、(筒の)端の方がチカチカ光っていたんで、怖くてやばいと思って、すごい勢いで走って逃げました。その後、すごい音がしたので、子供がすごく泣いて、(子供に)びっくりしたな」
事件から3時間後には、現場には爆発物処理班が活動する様子も。現場には、残された筒やリュックサックも確認できます。
木村容疑者は「弁護士が来てからお話しします」と供述しているということです。
一方、岸田首相は、予定通りの日程をこなすと発表。事件から1時間後には、すでに和歌山駅前にいました。
岸田首相「この会場に来る前、さきほど演説会場にて大きな爆発音がしました。いま、詳細は警察の方で調べていただいておりますが、多くの皆さん方にご心配、ご迷惑をおかけしたことについてお詫びを申し上げる」
その後、飛行機で東京へ。この後も、千葉県などで応援演説にのぞむ予定です。
野党からは。
立憲民主党・泉代表「まず岸田総理がご無事だったということで、安堵しています。政治活動の場においてですね、そういった危害が加わりかねない重大な爆発事件がですね、あったというのは許されない」
警察庁によると、これまでに木村容疑者の思想的な背景や、動機を示すものは見つかっていないということで、警察は犯行に至った経緯を詳しく調べる方針です。