こどものSNS利用禁止 15~19歳「賛成」約半数、「反対」4割近く 性的表現による人権侵害防止で

こどもへの性的表現による人権侵害を防ぐために、こどものSNS利用を禁止することについて、15歳から19歳までの人に聞いたところ、「賛成」と答えた人がおよそ半数、「反対」と答えた人が4割近くいたことがわかりました。
こどもを対象とした性的表現をめぐっては現在、生成AIによって生み出されたこどものわいせつな画像や動画などの性的なコンテンツがインターネット上で見られる状況で、このような状況を受け、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンが15歳から79歳の1200人に実施した意識調査によりますと、こどもを対象とした性的表現による人権侵害を防ぐために、18歳未満のSNS利用を禁止することについて尋ねたところ、15歳から19歳では、男性でみると賛成51.4%、反対35.1%、女性で見ると賛成57.6%、反対36.4%でした。なお全年齢の回答では、80%以上が「賛成」と答えました。
現在、生成AIを利用して、卒業アルバムなどに載っている実在するこどもの顔と偽物の裸の体を合成した性的なコンテンツなども生み出されていますが、法律で取り締まる場合などに、これらは“実在しない児童”と見なされるほか、AIがつくった画像が本物の人間のように見えるため、“実在”するかどうかの判断が難しくなっています。
日本の児童ポルノ禁止法では、実在しない児童を性的に描写したものは規制の対象外となっていることについて、今回の調査で尋ねたところ、そのこどもが「実在する・しないにかかわらず、すべて禁止するべき」と答えた人は7割を超え、最も多くなりました。一方、現在の法律と同じく「実在する児童がいる場合のみ禁止するべき」と答えた人は、1割ほどにとどまりました。
調査を行ったチャイルド・ファンド・ジャパンは、このような結果を受けて、児童の性的表現をめぐる法令規制を検討することを国に求めるということです。
また、未成年のSNS利用の禁止については、スマホがこどもにとっての必需品となる中、SNSの利用禁止はこどもの権利を害するという議論もあることなども踏まえるほか、15歳から19歳では反対が4割近くと、ほかの年代に比べて多かったことなどもあり、こどもたちの意見も聞きながら、議論する必要があると、まとめています。