関東地方で激しい雨 道路冠水、崖崩れも
梅雨前線が活発となった影響で、3日は明け方から東海や関東地方で激しい雨が降った。千葉市内では道路が冠水し、一時、車の中に取り残される人も出るなど混乱が相次いだ。
3日午前9時の東京・新橋。駅のガード下では滝のように雨水が流れ落ち、路面をたたきつける雨が歩行者の足元をぬらしていた。
千葉市では午前9時頃から雨脚が急激に強まり、午前10時過ぎの千葉駅前は雨で道路が冠水、水位が記者のひざ下くらいに達した。駅のガード下は水浸しになり、さらに水は駅の構内にも入り込んだ。地下街へ通じる通路では冠水に備え、止水板で防止する様子が見られた。
千葉県では千葉市で45ミリ、佐倉市で43.5ミリの1時間の最大雨量を観測。香取市では7月の観測史上最大となる42ミリが観測された。千葉市消防局によると、車が冠水したという救助要請も相次ぎ、千葉市稲毛区では山王町と宮野木町でそれぞれ男女2人が冠水した車に一時取り残されたが、無事が確認された。また、稲毛区の一部では下水路の水位が警戒水位を超えたとの情報があったため、4600世帯余り1万人以上に一時避難勧告が出された。
神奈川県二宮町では、3日午後1時頃、住宅街の道路脇の山の一部が幅約6メートルにわたって崩れる土砂崩れが発生、道路が一時通行止めになった。家屋への被害やケガ人はいないという。
今回の激しい雨をもたらしたのは、関東の南に停滞する梅雨前線だ。梅雨前線に沿うように活発な雨雲が発生。その雨雲が次々と関東や東海に流れ込み、雨雲の通り道で大雨となった。
今後の雨の見通しについて、木原実気象予報士は「今夜遅くから明日の未明にかけて、また強い雨雲が関東南部を通過する予想になっていますので、再び雨脚の強まる恐れがあります。この土日に関しても、梅雨前線が関東付近に停滞する見込みです。このため、関東では断続的に雨が降り続く恐れがあります」と話す。
3日夜から4日にかけて関東南部を中心に、局地的に雷を伴った1時間に30ミリ以上の激しい雨が降る見込みで、雨による災害に警戒が必要。