原爆投下から７０年を迎えた９日、原爆犠牲者を追悼する“祈りの場”となっている長崎市の爆心地公園から伝える。

　節目の日を迎えた９日は朝から多くの被爆者らが訪れた。近くの平和公園では過去最多となる７５か国の代表らが参列して平和祈念式典が開かれた。この１年間に亡くなった被爆者３３７３人の名簿が奉安され、長崎原爆の犠牲者は１６万８７６７人となった。

　長崎市の田上市長は平和宣言で安全保障関連法案に言及し、政府と国会に要請した。

　田上市長「不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯（しんし）な審議を行うことを求めます」

　一方、安倍首相は挨拶で、広島で盛り込まなかった「非核三原則」について触れた。

　安倍首相「非核三原則を堅持しつつ、国際社会の核軍縮の取組を主導していく決意を新たにいたしました」

　式典では、安倍首相に対して安保関連法案に反対するヤジが飛んだ。被爆から７０年。長崎の平和への祈りは９日夜遅くまで続く。