ここに来たら会える気がする…御巣鷹の尾根
520人が亡くなった日航機墜落事故から30年となった12日、墜落現場となった群馬・上野村では遺族らが慰霊登山を行い、追悼行事が催された。
1985年8月12日、羽田発、大阪行きの日本航空123便が墜落した。520人が犠牲者となり、単独の航空機事故では史上最悪の惨事だった。
上野村にある墜落現場の「御巣鷹の尾根」には、この日一日、遺族や関係者が続々と慰霊登山を行った。日本航空によると、過去最多となる106家族、406人が尾根に登り、墓標や慰霊碑に手を合わせたという。
娘を亡くした男性(81)「早いようで遅いようで…、でもここにきたら直接じかに会えるような気がするね。目の前におるような気分」
午前10時半には、尾根に建てられた「昇魂之碑」の前に遺族たちが集まり、事故をなくすという願いをこめて「安全の鐘」が鳴らされた。そして、午後6時からは、麓の施設「慰霊の園」で追悼式典が行われた。遺族およそ250人をはじめ、日本航空の社員や上野村の関係者ら計356人が参列した。遺族ら一人一人が、慰霊塔に花を手向けた後、犠牲となった520人と同じ数のろうそくに火がともされた。
墜落時刻の午後6時56分には、参列者全員で黙とうがささげられ、犠牲者の冥福を祈った。
娘を亡くした女性「30年前のことがよみがえりまして、今頃娘はどんな風にしてたのかしらと、そればかりです」
遺族たちは30年という月日をへても、悲しみが癒えることはないと語る。関係者の高齢化が進む中、事故の教訓をどのように引き継いでいくかが問われている。