塩崎厚労相、年金機構に「抜本的見直しを」
日本年金機構がサイバー攻撃を受け101万人の個人情報が流出した問題で、原因を調査していた検証委員会は21日、厚生労働省と年金機構の対応を「場当たり的な対応に終始した」と厳しく指摘した。
厚労省に設置された外部の専門家による検証委員会は21日、検証結果をまとめ塩崎厚生労働相に報告書を提出した。報告書では、根本的な原因として「年金機構、厚労省ともに、サイバー攻撃への危険性の意識が不足していて人的・技術的な対応が不十分だった」と指摘し、問題発生後についても「年金機構の現場と幹部の間や厚労省などとの情報共有がなく、場当たり的な対応に終始し、的確に対処できなかった」と厳しく指摘した。また年金機構のガバナンスのあり方にも問題があるとしている。
一方、機構に届いたウイルスメールは5月8日が最初だったことが分かっているが、報告書ではそれ以前の4月22日に厚労省年金局にも似たメールが届いており、その時点で年金機構と情報共有し、適切に対処していればその後の情報流出は防げたとも指摘している。
今回の報告書を受け、塩崎厚労相は21日夕方、年金機構の水島理事長に再発防止の徹底を指導した。
塩崎厚労相「業務が遂行できるように、抜本的な見直しを講ずることを求めたい」
塩崎厚労相は、「厚労省としても年金機構への監督・指導体制を強化し再発防止に取り組む」と話している。一方、水島理事長の処分については「機構も厚労省もケジメはつけなければならない。しっかりと考えていく」としている。