マンション傾斜 セメント量でも偽装
神奈川県横浜市の大型マンションが傾いた問題で、杭(くい)を補強するためのセメントの量についてもデータの転用や改ざんが行われていたことが新たにわかった。
16日夜に行われた住民説明会には販売元の三井不動産レジデンシャルの藤林清隆社長に加えて、杭打ち作業を行った旭化成建材の前田富弘社長も初めて出席し住民に謝罪した。
旭化成建材・前田社長「この度は私どもの杭工事におきまして、このような施工不良ならびにデータ改ざんという非常にあってはならないような問題を起こしてしまったこと、皆様がたに多大なるご迷惑、ご心配おかけいたしまして、誠に申し訳ございません」
このマンションをめぐっては、複数の杭が強固な地盤に届いていなかったことがすでにわかっているが、説明会ではさらに、杭を補強するためのセメントの量についても、他の杭のデータを転用したり、量自体もデータを改ざんしたりしていたことが明らかにされた。
説明会担当者「本日、また別のデータの転用の事実が私どもの方で確認されました。全部で45か所になっています」
住民「えーっ」
データが改ざんされた杭はすでに判明していたものを含め、70本に及ぶという。
旭化成建材・前田社長「単なるミスではなくて、ある意味、悪意があったと。何らかの施工記録を隠すために行ったということは断定はできませんけど、少なくとも8本(の杭)に関しては我々の推測ではありますけど、かなり(悪意があった)可能性が高い」
70本の杭はすべて同じ6人の作業チームが担当していたということで、旭化成側では偽装の背景について当時の作業員からさらに詳しく事情を聴いている。