現場管理者「データを流用」マンション傾斜
神奈川県横浜市の大型マンションが傾いた問題で、16日に行われた住民説明会で、杭(くい)を補強するためのセメントの量についても改ざんが行われていたことが新たにわかり、住民の不安と怒りはさらに高まっている。
マンションの住人「2回目というかね、(16日の説明会で)データ改ざんが新しく発覚したということで、驚きは隠せないですし、心配でもあると思っています。今は基礎工事の部分で起きたことですけど、もしかしたら建物の部分だって、そういうことあるかもしれませんし」
このマンションをめぐっては、複数の杭が強固な地盤に届いていなかったことがすでにわかっているが、16日の説明会ではさらに、杭を補強するためのセメントの量についてもデータの転用や改ざんが行われていたことが明らかにされた。データが改ざんされた杭はすでに判明していたものを含め、70本に及ぶという。
旭化成建材・前田富弘社長「単なるミスではなく、ある意味、悪意があって。何らかの施工記録を隠すために行ったということは、断定はできませんけど」
この70本の杭は、すべて同じ6人の作業チームが担当しており、会社の聞き取り調査に対し、現場管理者の男性は「記録を最終的に提出するときに紛失するなどしたため、他のデータを流用した」と話しているという。また、同じチームの杭打ちのオペレーターは「覚えていない」と話しているという。
旭化成建材は、2人が関わった工事も含めて、これまで会社が杭打ちを担当した全国のマンションや商業施設など約3000棟について調査している。