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データ改ざん 3種類のチャート切り貼り

2015年10月22日 21:28
データ改ざん 3種類のチャート切り貼り

 旭化成建材と親会社の旭化成は22日夕方、記者会見を行い、過去11年間に旭化成建材が行った杭(くい)打ち工事は全国で3040件で、このうち41件に横浜のマンションの杭打ちを担当した現場代理人が関わっていたと発表した。

 旭化成側の説明によると、2004年1月以降の杭打ち工事の実績は、和歌山県と沖縄県を除く全国で3040件あり、このうち、集合住宅が696件と最も多く、学校も342件含まれている。中には空港や県庁なども含まれるという。都道府県別にみると、北海道が422件と最も多くなっている。

 このうち、問題のマンションを担当した現場代理人が関わった工事は、今回の神奈川・横浜市のマンションを含む41件あったことも明らかにされた。神奈川県を除く内訳は、愛知が23件、岐阜が6件、三重が5件、東京2件、茨城、千葉、石川、静岡がそれぞれ1件となっている。

 旭化成側は今後140人態勢で、この41件について優先的に杭のデータが書かれた施行報告書などのファイルを調べ、改ざんがなかったかどうか調査を進めるとしていて、改ざんが発覚すれば、その物件の管理者などに連絡し、地盤調査を行いたいとしている。

 一方で、今回の現場代理人がデータを改ざんした手口について、3種類のチャートを切り貼りするなど手の込んだ方法だったことも明らかにした。こうした改ざんを見抜くには時間がかかるとして、全ての物件の調査を終えるめどは立っていないという。