千葉県警、交通死亡事故の過少計上を公表
千葉県警が、2013年までの10年間で、本来は交通死亡事故として計上すべき165件を、「病死」や「自殺」などとして統計から除外していたことを明らかにした。千葉県警は「1件でも数を減らしたいとのプレッシャーが影響したのでは」と説明している。
全国の警察では、1年間に起きた交通死亡事故の件数や死者数を白書などにまとめて公表しているが、千葉県警は、去年、「死亡事故の計上漏れがある」との指摘が外部から寄せられ、内部調査を進めてきた。
その結果、2013年までの10年間にまとめた統計で、「死亡事故」として計上すべき165件について、「病死」や「自殺」などとして除外していたという。
千葉県警は、「ほとんどが担当者の判断ミスによるもの」としているが、白書で公表されることになる「発生から24時間以内に死亡した」事案を「30日以内に死亡した」事案として計上するなど、不正に除外されたケースが22件あったという。
千葉県では、去年1年間の交通事故による死亡者が全国ワースト3位になるなど死亡事故が相次いでいて、千葉県警は「1件でも数を減らしたいとのプレッシャーが影響したのでは」と説明している。
千葉県警は、当時の担当者だった現職の幹部7人について、懲戒ではなく、訓戒や注意などの処分にとどめたが、その理由については、「恣意的に扱ったのは内部資料の数字だけだった」などとしている。
黒木慶英・県警本部長は「交通死亡事故統計に対する信頼を損ねる事態を生じさせたことは誠に遺憾。再びこうした事態が生じることのないよう指導を徹底してまいります」とコメントしている。