本谷さん「娘が生まれて初めて受賞できた」
19日午後、第154回、芥川・直木賞が発表された。芥川賞は、本谷有希子さん(36)の「異類婚姻譚」、滝口悠生さん(33)の「死んでいない者」が受賞。直木賞には、青山文平さん(67)の「つまをめとらば」が受賞した。
本谷さんは劇作家としても活動しており、石川県出身では初受賞となる。2006年「生きてるだけで、愛」で初めて芥川賞候補に挙がり、今回4度目のノミネートで受賞となった。
本谷さん「頭が真っ白な状態で、本当に自分のことじゃないように聞いていました」
受賞作品は「異類婚姻譚」。結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が身内になる「夫婦」というものの不可思議さを描いた作品だ。本谷さんは10月に第1子となる長女を出産していた。
本谷さん「10月のオメデタは第1子の娘を出産したばかりで、もうすぐ3か月になるんですけど、その赤ちゃんがおなかにいたときに小説を仕上げていて、その出産までに何とか小説を書かないといけないと思ったときに初めて書けたので、いつ破水するかわからない状態で、ずっとやりとりをして直していた。3回(芥川賞候補になって)ダメだったのに、彼女が生まれて初めて4回目で受賞できた。自分の中では、その娘と今回の作品というのは、すごく関連しているような気がしています」
本谷さん「芥川賞は…そのエサに感じるときもありますね。作家にとってエサをまいて、もっと書きなさい、もっと書きなさいって言ってくれてるような感じがあって、どっちかというと、賞をもらったうんぬんより、書き続けることが作家にとってすごく大事な資質だと思うので、それが自分にあるか試させられたなと思います」