高浜原発運転停止決定 関電「極めて遺憾」
関西電力の高浜原発3号機・4号機について、滋賀県の住民らが、運転の差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁は、運転を停止する決定を下した。
運転停止の決定が出た瞬間、集まった支援者からは大きな歓声が巻き起こった。今回の決定を受け、高浜原発は早ければ約10時間後に運転を停止する。
滋賀県の住民29人は、高浜原発3号機・4号機について、再稼働前の去年1月、「安全性が確保されておらず、重大な事故が起こる危険がある」などとして、運転を差し止める仮処分を申し立てた。
住民らは、「地震の揺れの想定が不十分で、起こりうる地震の大きさを過小評価している」などと主張。一方、関西電力側は、「厳しい想定で対策を講じており、安全性に問題はない」と反論していた。これに対し大津地裁は9日、「十分なシビアアクシデント対策がとられていない」などとして、3号機・4号機の運転を停止する決定を下した。
高浜原発は、今年1月に3号機が、2月に4号機が、それぞれ新規制基準のもとで再稼働したが、4号機は運転の直後に原子炉などが自動停止するトラブルが起きていた。
決定を受け、関西電力は「当社の主張を裁判所に理解いただけず、極めて遺憾であるものと考えており、到底承服できるものではありません」とコメントしている。
福島第一原発の事故後、原子力規制委員会の新規制基準に合格して再稼働した原発の運転停止を決定した司法判断は初めて。