無名=田端?LINEスタンプに秘めた思い
インターネット上で話題となった言葉を毎回一つ取り上げ、日テレNEWS24・デジタル編集チームが取材する「Hot Word」。23日は「山手線で1番無名」。
この言葉がネットで話題になった理由、それは無料通信アプリ「LINE」でのやり取りの際に使われるツール「スタンプ」だ。このスタンプ「山手線で1番無名」は、山手線のある駅を指している。それは「田端駅」だ。
東京都北区にある田端駅は池袋駅と上野駅の間にあり、一日の平均乗降客数は約9万人。地下鉄や私鉄への乗り換えもなく、山手線の29駅の中では、さほど大きな駅ではない。
このスタンプに対し、ネット上では「確かに田端駅には降りたことないかもしれない」「住みやすい街だと思うけど…」「このLINEスタンプで田端が有名になるかも」といった声があった。そして、このスタンプが「シュールだ」「自虐的だ」とネットで話題となっている。
田端駅は、駅前に大きな商業施設はないが、JR東日本の大きな車両基地があり、鉄道ファンにはよく知られている。
また、田端は芥川龍之介や菊池寛など文豪の街としても知られ、山手線圏内では緑豊かな落ち着いた街だ。しかし、デートで「田端に行こう」という話は、あまり聞かれない。
「地味な田端」をなぜ、スタンプのコンセプトにしたのか。スタンプを作ったのは、イベントなどを手がける「やってみたいことやってみる協会」の代表・櫻井寛己さんだ。
櫻井さんは三代続く「田端っ子」で、スタンプを作ろうと思ったきっかけは、地味と言われる田端を「何とか盛り上げられないか」と思ったことだという。
地元の知り合いなどに使ってもらえればと思い、田端の特徴を考えたところ、このようなスタンプになったという。スタンプは全部で40種類あるが、スタンプの全てに「田端愛」をちりばめている。
ネット上で「スタンプの内容が自虐的だ」と騒がれていることについては、田端にずっと住んでいるからこそできたもので、特に「自虐的」とは思っていないという。
櫻井さんはスタンプの制作以外にも、地元を盛り上げようとイベントを開催していて、「今後も“田端愛”にあふれた町づくりを行っていきたい」と語っていた。