ドライバー必見!渋滞緩和の「3得」って?
キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。4日のテーマは「渋滞を避けるには」。日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。
■渋滞発生のメカニズム
ゴールデンウイークまっただ中、4日から上りの渋滞、Uターンラッシュが始まっている。そもそも、渋滞はなぜ起きるのか。車が多いのは当然だが、実はブレーキが関係している。
事故や工事などでの渋滞を除いた自然渋滞の主な原因は「ブレーキの連鎖」。上り坂や合流地点などでスピードが落ちてくると、車間距離が短くなり、ブレーキを踏む。すると、その後ろの車もブレーキを踏む。こうしてブレーキが連鎖すると、最後には止まってしまい、渋滞になると考えられている。
■最低40メートルの車間距離を
渋滞のメカニズムに詳しい東京大学・先端科学技術研究センターの西成活裕教授によると、「車間距離をあけておけばブレーキの連鎖が防げるので、渋滞を起こしにくい」「車間距離を最低40メートル以上はあけて走行するべき」と話している。
40メートルの目安としては、高速道路には車間距離を確認できる表示があるから、これを意識して走ると良いだろう。十分に車間距離をあけることで渋滞も防ぐことができ、安全運転にもつながる。
■渋滞にはまった!「得する3つのポイント」
西成教授によると、渋滞にはまってしまった場合、覚えておくと得するポイントが3つある。
1.車線の選び方
2.合流の仕方
3.料金所の通過の仕方
まずは「1.車線の選び方」。例えば「左」「中央」「右」と3車線ある高速道路で渋滞している時は、一番左の走行車線を走ると得だ。
渋滞が始まると、多くの人が右の追い越し車線へ入ろうとするため、3車線の場合、統計的に車の量は左が25%、中央が35%、右が40%という分布になるという。実験によれば、時間的にも左車線を走っている方が早く目的地に着くという。
次に「2.合流の仕方」。例えばゆっくり流れているような渋滞の場合、「A.合流地点が始まる所で走行車線に入ろうとする」のと、「B.合流地点が終わるギリギリの所で入ろうとする」のと、どちらが得なのか。
この場合、特に渋滞している時は「B」のようにギリギリで合流するのが良い。「A」のように手前で入ろうとすると、走行車線の車は急に現れた車を見てブレーキを踏むことになる。そうするとブレーキの連鎖が起き、さらなる渋滞を引き起こしてしまう。
「B」のように合流する区間をフルに使うことで、走行車線の車も合流する車を確認することができ、スムーズな合流につながる。しかも、道路を無駄なく使っているため、渋滞の緩和にもつながる。
最後は「3.料金所の通過の仕方」。“出口の料金所”が近づいてきたら、後ろについていくといい車の種類がある。それはトラックやバスなどの大型車だ。
大型車の後ろは先が見えないので、視界が悪い点には気をつけなくてはいけないが、大型車は車高が高いので、普通車よりも見晴らしが良く、すいているレーンを見つけやすい。当然、大型車はすいているレーンに移動しようとするので、その後をついていくのがいいという。
■一番は時間帯
ただ、やはり渋滞にはまらないのが一番。そのために大切なのは「渋滞予測の出ている時間帯を避ける」ということだ。
例えば、去年のゴールデンウイーク中の東名高速の上り線・静岡ICから東京ICまでの所要時間を見ると、渋滞がピークだった午後3時に出発すると約2時間43分かかっている。これに対し、正午に出発すれば約1時間56分と、50分近く早く到着することが可能だった。
■車間距離と心に余裕を
「行楽地に早く行きたい」「少しでも早く家に帰って休みたい」というのは、誰でも一緒。車に乗る人がみんな、車間距離だけでなく、心にも余裕を持つことが渋滞解消につながるのではないだろうか。