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高校生死亡のエレベーター事故で調査報告書

2016年8月30日 21:53
高校生死亡のエレベーター事故で調査報告書

 2006年に男子高校生がエレベーターに挟まれて死亡した事故について、「消費者安全調査委員会(消費者事故調)」が、エレベーターの保守管理が不十分だったなどとする報告書をまとめた。

 消費者事故調が調査していたのは、2006年に、東京・港区で市川大輔さん(当時16)がシンドラーエレベータ社製のエレベーターに挟まれ死亡した事故で、調査の結果、エレベーターが止まると効くはずのブレーキ装置が摩耗して緩み、効かなくなっていたことが事故原因との分析を公表した。

 また、製造業者が保守管理業者に保守点検のマニュアルを渡していなかったり、適切な救助体制が確保できていなかったりするなど、保守管理が不十分だったと指摘した。

 亡くなった大輔さんの母・市川正子さん「(事故から)10年かかりましたが、(調査結果が出たことに)感謝の思い。やっと、やっとですね。息子の命を無駄にしない、この事故の教訓をエレベーターの安全にいかしてもらいたい、その思いだけ」

 一方、国内にあるエレベーター約77万台のうち、扉が開いた状態での走行を制御する装置が付いているのは約73万台しかないことについて、報告書では「設置を促進する」と記すにとどまったが、大輔さんの母・正子さんは、今後、設置を義務づけるなどして二度と同じような事故が起きないようにしてほしいと話した。