過去最早の梅雨明け&猛暑 → 4年前と酷似?
今年2022年は各地で記録的に早い梅雨明けとなった後、東京都心で観測史上最も長い「9日連続の猛暑日」となるなど、各地で記録的な暑さとなりました。過去に酷似している年があり、今後、警戒すべき点などを気象予報士の木原さんが解説します。
■都心の猛暑日連続記録を更新
東京都心では7月3日も最高気温が35℃を超え、9日連続の猛暑日を観測しました。観測史上最も長く続いていた記録を更新、となりました。
■気象状況が2018年と酷似?
この猛暑は、記録的な早さとなった今年の梅雨明けも関係しています。
これらの大きな要因となるのは「太平洋高気圧」と「偏西風の北上」です。この2つの条件が2018年と酷似しています。
両者を比較してみると、ともに7月の時点で太平洋高気圧の勢力が強く、日本列島をしっかりと覆っているのが分かります。本来7月上旬はまだ梅雨の真っ只中ですから、太平洋高気圧もそれほど強くはなく、偏西風も本州付近を流れているのが一般的ですが、2018年も今年も、ともに偏西風が北上したことで梅雨前線も北上、梅雨明けとなり、夏の到来が早まることで一気に猛暑、となったんです。
実際に2018年と今年の梅雨明けを比較してみると、2018年も関東甲信では6月29日に梅雨明け、当時は過去最も早い記録でした。今年の梅雨明けを振り返ると、近畿や四国でも過去最早、関東甲信も記録を更新するほどの早い梅雨明けとなりました。
そして最高気温のランキング上位も合わせて比較してみると、2018年も埼玉県の熊谷で、今年の7月現在でも観測史上1位の記録、41.1℃を観測するなど、記録的な暑さとなった年でした。
今年はまだ7月になったばかりですが、すでに40℃以上の記録が続出しています。この先も気象庁は猛烈な暑さが続く予想としています。
■大雨シーズンへ突入
記録的に早い梅雨明け、記録的な暑さ、と続いた後は、大雨のシーズンへ突入します。
2018年といえば記憶に新しいのが、7月に発生した「平成30年西日本豪雨」、そして9月に徳島県南部に非常に強い勢力で上陸した台風21号、ともに大きな被害が出ました。
今年2022年も同じような大雨や台風が発生するかどうかはまだ定かではありませんが、早めに大雨への備えを、防災意識を高めることが重要です。