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「また室内熱中症が増える」電力大手4社が“値上げ”発表 危険な暑さ続く中で…

2022年6月29日 21:28
「また室内熱中症が増える」電力大手4社が“値上げ”発表 危険な暑さ続く中で…

危険な暑さが続く中、29日、大手電力会社4社が8月の電気料金について、また値上げを発表しました。この発表に悲鳴が上がっています。

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29日、記録的な暑さで千葉・印西市にある農園では――

とまとのソメヤ 染谷将洋さん
「このトマトがですね、ちょっとここ、しわがよっちゃってるのがわかると思うんですけど」

強い日差しでトマトの皮が焼けてしまっていました。さらに――

とまとのソメヤ 染谷将洋さん
「温度が暑すぎて、ほとんどのトマトが煮えちゃっている状態」

例年、この時期はまだ梅雨で、ハウスの温度は30℃ほどです。しかし早くも梅雨明けした今年は、45℃ほどまで上昇し、全体の6~7割がやわらかくなるなどしてしまったといいます。

とまとのソメヤ 染谷将洋さん
「どうしても、やっぱり単価は下げざるを得ないので、売り上げ的にも影響は出ています」

影響を受けたトマトはソース用として大容量で販売し、利益は3分の1に減少するといいます。購入した客は――

購入客
「(形が悪くても)全然大丈夫です。ミートソースたっぷり作って冷凍して、味わいたいと思います」

船橋市の農園では29日朝、小松菜を収穫していましたが――

西船橋ひらの農園 平野代一さん
「まだ生育が小さいので、水をかけて大きくしようとしていたんですけども、皆さん『小松菜持ってきてください』って待っていて」

飲食店などから要望があるものの、暑さでなかなか十分な大きさに育たず、通常より小さいサイズのまま提供せざるを得ないといいます。畑では水分不足でしおれてしまっている小松菜も見られました。

本来はまだ水をかける時期ではないといいますが、今年は水をかけなければならず、ある問題が――

西船橋ひらの農園 平野代一さん
「井戸水なんですよ。井戸ポンプをまわしますので、みなさん節電しましょうと言っているときに電気を使って」

水をかけるには電気が必要で、電気代もかさんでしまうといいます。

    ◇

こうした中、29日に発表された8月の電気料金に悲鳴が上がっています。

29日、「6月史上最長」を更新し続け、5日連続の猛暑日となった東京では、異例の暑さで電力のひっ迫が続いています。経済産業省は29日も東京電力管内などで「電力需給ひっ迫注意報」を出し、熱中症に注意しつつ、できる限り節電するよう呼びかけました。

節電すれば電気代も安くなる…と期待したいところですが、29日、大手電力4社は燃料価格の高騰により8月の電気料金を値上げすると発表しました。東京電力では、平均的な使用量の家庭で9118円と去年と比べ2100円あまり値上がりするということです。

ネットでは悲痛な声が上がっていました。

「これでまた室内熱中症が増えるじゃん」

「うちの奥さん、こんなに払えないと怒ってます」

「奥さんが怒っている」と投稿したのは東京・文京区の飲食店を経営する男性です。

――奥さんに何か言われた?

タウリン 田浦成人店主
「『なんで、こんな店暇なのに電気代上がってるの』って。去年からすると(電気代が)1万以上は違う」

節電のため、電気を消したままの薄暗い中で開店準備をしているといいます。あらゆる節電対策をしているということですが、29日の電力料金値上げの発表に――

タウリン 田浦成人店主
「受け入れ難いというか、これ以上、この状態で『節電』って言われても、何をどうしていいのかもわからない」

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30日も危険な暑さが続く予報の東京電力管内では、4日連続で「電力需給ひっ迫注意報」が継続されます。

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